【成長鈍化か】FRONTEO(フロンテオ)、株価下落の3つの理由

【成長鈍化か】FRONTEO(フロンテオ)、株価下落の3つの理由決算分析
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最新の決算分析については、下の記事で解説しています。
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どうもこんにちは、平凡サラリーマン投資家のヒラです。

みなさんは、FRONTEO(フロンテオ)という銘柄はご存知ですか?

FRONTEO(フロンテオ)は、主に自然言語を解析するAIを開発し、業務効率化や医療や研究の発展に貢献します。コロナショック時には、株価150円台まで下がった株価ですが、そこから株価は上昇し、一時はテンバガー以上の株価をつけています。

そんなFRONTEO(フロンテオ)ですが、最近は相場悪化の影響もあり、株価は下落傾向でした。そして5/20の取引時間後に決算発表があり、「株価の底上げ」と期待しましたが、これは週明け株価下落してしまいそうです。一体どんな決算だったのでしょうか?なぜ下がってしまうのでしょうか?

今回は、株価低迷中のFRONTEO(フロンテオ)の決算をを分析しつつ、株価下落する3つの理由成長性はあるのかを解説していきます。

この記事は、
・分析の仕方を知りたい
FRONTEO(フロンテオ)についての情報を共有したい
・今後のFRONTEO(フロンテオ)について知りたい
・意見交換したい
上記のような方におすすめです!

以前、FRONTEO(フロンテオ)の前回決算について解説しました。こちらを読むことで、業績の推移などが分かり、今回の記事も分かりやすくなります。ぜひ一度、下の記事も読んでみてください。

では、早速行ってみましょう!

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FRONTEO(フロンテオ)の株価の値動き

まずは、ここ最近の株価の値動きを確認しておきましょう。

下のチャートをご覧ください。こちらは、直近6ヶ月のFRONTEO(フロンテオ)の日足チャートです。

直近6ヶ月のFRONTEO(フロンテオ)の日足チャートs

見ての通り、11月下旬に株価5,000円以上つけました。これは、11月中旬にあった決算発表が理由です。これについては、前々回の決算分析の記事で解説しています。

しかし、その後株価は急落しました。これは「さすがに株価が上げすぎ感」もありましたが、これは株式相場悪化も理由です。そして今も、下げ続けています。立て続けに株式市場には悪い材料が出てきました。主な理由は下記の通りです。

<相場悪化の原因>
・日本での金融所得課税増税が話題に
 ー 株式投資離れ、今のうちに手仕舞いする投資家の増加
・米国でのインフレ加速、テーパリング早期化
 ー 利上げ早期化
 ー 米国長期金利上昇
 → 株式のリターンに対して相対的評価低下
ウクライナの地政学的リスク
 ー ロシアからヨーロッパへの原油・天然ガスの経由地であるウクライナで、戦争勃発
 ー ロシアからのエネルギー供給減予測
 → 世界エネルギー価格高騰
 → コロナ感染拡大と併せて、世界経済にダブルパンチ

上記のことから、特にグロース株相場が悪化しています。軒並み株安になっており、もちろんグロース株であるFRONTEO(フロンテオ)も、もれなく株価は下がり続け、株価は高値から1/3以下にまで下落してしまいました。

5/20の取引時間後に決算発表があり、「株価の底上げになれば」と期待していましたが、これはさらに株価下落を招いてしまいそうです。一体どんな決算だったのでしょうか?

では、今回の決算内容を確認しましょう。

決算内容

決算のみどころ

当ブログでは、今後成長が期待できる銘柄の一つとしてもFRONTEO(フロンテオ)をみています。したがって、一番重要視したいのが「成長性」に関してです。そのため、下記の項目に着目します。

項目としては、
・損益(売上や利益)
・投資(事業拡大)
・ニュース(事業拡大、新規事業について)

について着目していきます。

もちろん、他のバランスシートやキャッシュ・フローも大切です。そこにも目を通しますが、この記事では重視するところを取り上げていきます。

業績

今回は、2022年3月期の通期決算が発表されました。

短信では、売上や利益が累計で出されています。当ブログでは、四半期ごとの売上や利益を算出し、前年と比較しています。下の表をご覧ください。

四半期ごとに
・売上、営業利益、経常利益、純利益
・各対前年比(%)
・各累計計画対比進捗率(%)

を算出しています。

FRONTEO(フロンテオ)の四半期業績推移

上の表を元に、ポイントを絞って解説していきます。

予想に対しての実績

まず、注目していただきたいのが、予想に対しての実績です。

通期業績は予想に対して、売上高/営業利益/経常利益/純利益の順に、98%/96%/99%/119%です。純利益以外は未達でした。その分と言ったらあれですが、純利益は大きく超えました。

売上未達なのは、ビジネスインテリジェンス分野で、下半期に予定していた案件が想定通りに進捗せず、売上計上に至らなかったようです。

2023年度業績予想

次に、注目していただきたいのが、2023年度業績予想です。

2022年度実績に対しての成長率は、売上高/営業利益/経常利益/純利益の順に、-9%/-42%/-44%/-60%と減収減益です。グロース株でこれは心配になります。この理由としては、体制整備のために、人的投資を中心に積極的に投資をするためのようです。

しかし、グロース株投資家としては、それでも売上成長には期待してしまっています。これは嫌気がさすでしょう。

四半期ベースの収益

続いて注目したいのが、四半期ベースの収益です。

前年度と比べて、売上減少、営業利益・経常利益減少です。これは上述しましたように、ビジネスインテリジェンス分野で、下半期に予定していた案件が想定通りに進捗せず、売上計上に至らなかったためでしょう。

これがコロナ禍による外部的な要因なのか、それともFRONTEO(フロンテオ)自身の内部的な要因なのかまでは読み取れませんでした。やはり、心配になりますね。

今後の成長性を計るために、KPIについても確認しておきましょう。

KPI

先に、説明しておくことがあります。

FRONTEO(フロンテオ)では、FY2020=2021年3⽉期、FY2021=2022年3⽉期、FY2022=2023年3⽉期という定義に基づいて記載しております。ちょっと分かりにくいと感じますが、これから出てくる図には気をつけて見てください。

AI比率

今後の成長性を握るポイントの一つは、AI比率です。FRONTEO(フロンテオ)では、ポートフォリオトランスフォーメーションをしており、利益率の高いAIサービスの比率を高めている段階です。

まず、下図をご覧ください。こちらは今回の決算説明資料にありました「AIサービス売上高の推移」です。

FRONTEO(フロンテオ)のAIサービス売上高の推移

見て分かるように、2022年度のAI比率は50%を超えて、53%まで上がってきました。それもあってか、通期業績で営業利益率は16%程度まで改善されています。これには成果が見えてきて、好感が持てますね。

そして、2023年度にはAI比率も75%を目指しており、今後はこの比率を100%まで高めることを目標としています。その時の営業利益率が楽しみですね。

各事業・サービスの売上推移

各事業の売上推移も見ておきます。FRONTEO(フロンテオ)の主な事業・サービスは3つ、「リーガルテックAI事業」「AIソリューション事業のライフサイエンスAIサービス/ビジネスインテリジェンスサービス」です。

下図をご覧ください。こちらは今回の決算説明資料にありました「各事業・サービス別の売上高推移」についての資料です。

FRONTEO(フロンテオ)のリーガルテック
FRONTEO(フロンテオ)のAIソリューション

リーガルテックAI事業は、上期に大型案件があったため、その分下半期は減少しています。そして、AI比率も下がってしまいました。前年2Qから上がり続けていたAI比率が下がってしまったのと、売上高はこれからまた増加してくるのか、少し心配になります。

また、利益率ですが、2022年度1Q:17.2%(AI比率:37%)、4Q:10.8%(AI比率:40%)と利益率とAI比率が連動していません。これは成長投資のタイミングも関係あると思いますが、目に見えてこないと信じきれないですね。

AIソリューション事業は、ライフサイエンスAIは前年同期比で大きく増加していることがわかります。一方、ビジネスインテリジェンスは前年同期比で大きく減少してしまっています。これは上述しましたように、ビジネスインテリジェンスにおいて、一部案件で売上計上できなかったことが原因のようです。

また、セグメント売上高が前年よりも下がっているのは、利益が増加しているものの、好感が持てませんね。やはりグロース株ですし、今後成長を期待しているセグメントだけに毎年成長が見えて欲しいものです。

では、最後に株価が下落する3つの理由を解説します。

株価下落の3つの理由

株価が下落する主な理由は、下記の3つです。

<株価下落の理由>
・2023年度業績予想
・AIソリューション事業
・ステージ4実現へのイメージ

それぞれについて説明します。

2023年度業績予想

上述しましたように、2023年度の業績予想を見ると、減収減益になっています。

FRONTEO(フロンテオ)は投資家達から、グロース株として認識されています。そのため、毎年の成長が期待されています。したがって、体制強化のためといえど、減収減益なんてマイナスにしか捉えられません。

もっと言うと、「今後の成長も想定したように、成長しないかもしれない」という懸念も抱きます。よって、成長性に不信感を抱かれ、株が手放されるでしょう。

AIソリューション事業

いま、FRONTEO(フロンテオ)で一番成長が期待されているのは、AIソリューション事業です。

しかし、上述しましたように、前年度比で減収になってしまっています。先ほども書きましたが、やはりグロース株なので、毎年の成長が期待されています。その企業の注目事業なので、もちろん事業単体で見たときも成長が期待されています

そのため、今回のAIソリューション事業の減収はマイナスに感じられるでしょう。

ステージ4実現へのイメージ

FRONTEO(フロンテオ)は、中期的な目標であるステージ4達成に向けて動いています。

ステージ4については、下図をご覧ください。こちらは決算説明資料にありました「ステージ4までの売上成長イメージ」です。

FRONTEO(フロンテオ)のステージ4までの売上成長イメージ

2026年度(=FY2025)にステージ4:売上高300億円、営業利益60億円を目標とするようです。多くの投資家はこの「ステージ4」を意識して、投資しています。

ただ、この図の上に「FY2023売上⾼について、グラフ上200億円としていたが、今回150億円と下⽅修正」と書かれています。ただ、「FY2025でのステージ4達成は可能である」とも書かれているので、気にしない人は気にしないかもしれませんが、心配性な当ブログとしては気になってしまいます。

FY2023売上高:150億円→FY2025売上高:300億円ということは、2年で2倍の売上高になるということです。つまり、2年間は+40%以上の成長率が必要になります。今の業績推移から見ていると、そんな高成長率は想像がしにくいです。

したがって、株を手放され、株価は下落することでしょう。

この「ステージ4」達成時における目標株価については、以前ブログで算出しました。今回の決算資料を踏まえて、少し調整が必要そうなので、後日調整しておきます。「FRONTEO(フロンテオ)の目標株価」が気になる方は、下の記事からどうぞ。少しでも投資の参考になれば嬉しいです。

成長性は本当に鈍化したのか?

実際、成長性はどうなのか考えてみましょう。上述してきたことを見ると、正直心配になりますね。

ただ、いまのFRONTEO(フロンテオ)で重要なのは、AIサービスの売上です。ステージ4では、これが全体売上の100%を占めるわけです。つまり、このAIサービスの成長性こそが本来のFRONTEO(フロンテオ)の成長性とも言えます。

では、ここでAIサービスの売上高推移を見てみましょう。

<AIサービス売上高推移>
FY2019売上高(実績):2,523百万円
FY2020売上高(実績):3,671百万円(前年度比+45.5%
FY2021売上高(実績):5,808百万円(前年度比+58.2%
FY2022売上高(予想):7,500百万円(前年度比+29.1%
FY2023売上高(予想):11,250百万円(前年度比+50%
※FY2022は、全体売上高×AIサービス比率75%で算出。
 FY2023は、成長イメージ「150億円」×AIサービス比率75%で算出(75%以上にはなるだろうという見込み)。

これまでは高い売上成長率でしたが、FY2022予想では少し成長が鈍化していますね。実際、+29.1%なんて高い成長率ではあります。FY2022→FY2023予想では、また+50%の成長に戻る見込みです。

このことから「体制強化をすればまた高成長率が戻ってくるかも」とも期待できるかもしれません。そして、それからFY2023→FY2025に向けて「年平均+40%以上の成長率もいけなくはないのかも」と感じてきますね。

ただ、上述した成長性の話も、FY2022の体制強化がうまくいくかどうかに全て掛かっているでしょう。

まとめ

以下、今回の記事のまとめです。

<決算内容>
・業績予想未達
・利益大幅増加
・来期業績予想減収減益
 ー 体制強化のための人的投資重視
・AIサービスのAI比率上昇
・ライフサイエンスAI分野は好調
・ビジネスインテリジェンス分野は不振

<株価下落の理由>
・2023年度業績予想が低い
 ー 成長鈍化懸念
・AIソリューション事業
 ー 注目事業の減収はマイナスイメージ
・ステージ4実現へのイメージ
 ー 残りの年数でそんなに高成長できるのか不信感

<成長性は本当に鈍化したのか?>
・AIサービスの売上高推移に着目
 ー 高い成長率はキープできている
 → ステージ4達成もあるうるかも
 ※しかし、体制強化がうまくいくかどうか次第

みなさんは、どうお考えですか?

今後の目標として、FORNTEO(フロンテオ)では「ステージ4:売上高300億円」を掲げています。この目標達成時には「どこまで株価は上がるのか、それとも株価は下がってしまうのか」気になる方は、ぜひ以前に当ブログが算出しました目標株価の記事もご覧ください。今回の決算で少し調整が必要ですので、後日調整します。参考になれば、嬉しいです。

さいごに

今回は、株価低迷中のFRONTEO(フロンテオ)の決算をを分析しつつ、株価下落する3つの理由成長性はあるのかを解説しました。

この銘柄は値動きも激しくて、投資家から注目度も高さが伺えます。しかし、今回の決算は少し心配になるものでしたね。体制強化がうまくいくかどうかが、今後ステージ4達成に向けて高成長できるかどうかの鍵になりそうです。引き続き、注目していきたいです。

いかがでしたか?参考になりましたか?
それとも、「ここはどうかな」と違う意見ですか?

今回の当ブログの考えと違う方がいらっしゃったり、参考になった方がいらっしゃれば、ご意見・コメントいただけると嬉しいです!

株式投資に絶対はありません。ぜひ皆さん、ご自身でも一度調べてみてください!
投資はあくまでも自己責任に基づき、自身でご判断願います。

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