【株価下落】ココペリの決算分析!増収増益なのに下がる理由を解説

【株価下落】ココペリの決算分析!増収増益なのに下がる理由を解説決算分析
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どうもこんにちは、平凡サラリーマン投資家のヒラです。

みなさんは、ココペリという銘柄はご存知ですか?

BtoB SaaSモデルの中小企業向け経営支援プラットフォームであり、金融機関の取引先企業に向けて展開するサービスをしている企業です。国内の小型成長株ファンドに組み込まれている銘柄の一つです。

そんなココペリですが、11/15の取引時間後に決算発表があり、その翌日には株価が大幅下落してしまいました。前年比で大幅な増収増益だったのに、一体なぜ株価は下がってしまったのでしょうか?

今回は、決算で増収増益だったのに、株価が下落してしまったココペリの決算をを分析しつつ、株価下落の理由を解説していきます。

最新の決算分析については、下の記事で解説しています。
 最新の決算分析を読みたい方は下からどうぞ。

この記事は、
・分析の仕方を知りたい
ココペリについての情報を共有したい
・意見交換したい
・分析についてアドバイスしたい
上記のような方におすすめです!

前回の決算分析については、下の記事で解説しています。こちらを読むことで、業績の推移が分かり、今回の記事も分かりやすくなります。ぜひ一度読んでみてください。

では、早速行ってみましょう!

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株価チャートを確認

下のチャートをご覧ください。こちらは、直近6ヶ月のココペリの日足チャートです。

直近6ヶ月のココペリの日足チャート

昨年末にIPO(新規上場)し、1月に高値をつけたあと、株価はずっと下がり続けています。高値が8,720円に対し、現在の株価は2,545円です。高値から、1/3以下の水準まで下がってしまいました。移動平均線を見ても、右肩下がりで下落トレンドの真っ只中ということがわかります。

11/15取引時間後に決算発表があり、業績をザッとみると前年比で増収増益でした。しかし、翌日の株価は窓を開けるほどの大幅下落でした。その後も4日連続で株価が下がってしまいました。

一体どんな決算だったのでしょうか?それほど大きく下げるような要因があったのでしょうか?

では、今回の決算内容を確認しましょう。

決算内容

決算のみどころ

当ブログでは、今後成長が期待できる銘柄の一つとしてもココペリをみています。したがって、一番重要視したいのが「成長性」に関してです。そのため、下記の項目に着目します。

項目としては、
・損益(売上や利益)
・投資(事業拡大)
・ニュース(事業拡大、新規事業について)

について着目していきます。

もちろん、他のバランスシートやキャッシュ・フローも大切です。そこにも目を通しますが、この記事では重視するところを取り上げていきます。

業績

直近では、2022年3月期の第2四半期決算が発表されました。

短信では、売上や利益が累計で出されています。当ブログでは、四半期ごとの売上や利益を算出し、前年と比較しています。下の表をご覧ください。

四半期ごとに
・売上、営業利益、経常利益、純利益
・各対前年比(%)
・各累計計画対比進捗率(%)

を算出しています。

ココペリ、業績推移

上の表を元に、ポイントを絞って解説していきます。

進捗率

まず注目していただきたいのが、進捗率です。

2Q時点で、売上高は45%、利益関係は70%前後もあります。ココペリはストック型の収益のモデルのために、下期偏重型です。そのため、利益は2Q時点でこの水準ならば、ほぼ今期の達成は見込めることでしょう。また、売上高に関しても、前年の実績をみると2Q時点では38%だったので、今期2Q時点で45%というのは順調に見えます。

営業利益率

次に注目したいのが、営業利益率です。

2Qまでの累計は、売上高:805百万円、営業利益:264百万円であり、営業利益は32.8%と高水準です。事業・ビジネスモデルの強さが見てとれます。

四半期ベースでの売上高

続いて注目したいのが、四半期ベースでの売上高です。

前年比を見ると、+79%と高い成長率であることもわかります。しかし、ストック型の収益モデルのため、毎四半期ごとに積み重なっていくことが期待されているにも関わらず、前四半期(1Q)と比べると、あまり増加していません。これは少し、成長鈍化懸念が出てきてしまいますね。

累計での前年対比だと高い成長率に見えましたが、四半期ごとに分けて前四半期と比べると、成長鈍化懸念が出てきてしまいましたね。

今後の成長性を計るために、KPIについても確認しておきましょう。

KPI

導入金融機関数と会員企業数

ココペリでは、
・導入金融機関数
・会員企業数

上記2点をKPIとして見ます。

<なぜ、この2項目がKPI(重要指標)なのか?>
ココペリは上述しましたように、収益源がストック型の月額利用料です。この月額利用料は「固定+レベニューシェア」です。
固定料金は導入金融機関数に左右され、レベニューシェアは会員企業数に左右されます。つまり、この2項目の増加が、ココペリの収益成長に直結すると言っても過言ではありません。よって、上記の2項目がKPIと言えるのです。

下図をご覧ください。
こちらは今回の決算説明資料にありました「導入金融機関数の推移」「会員企業数の四半期推移」です。

ココペリ、導入金融機関数推移

どちらも引き続き増加傾向にあることがわかります。しかし、よく見ると導入金融機関数と会員企業数の伸びが少し弱くなったように見えます。

導入金融機関数は、大きく伸びる時期とそうでない時期が今までもありました。ただ、会員企業数は前期だと、1四半期で1万社以上増加していましたが、今期は7千社程度に落ち着いています。

この要因は、1月〜9月まで緊急事態宣言下のために、企業への訪問や金融機関へのサポートができなかったためのようです。したがって、次の3Qも同程度の伸びだと推測できます。

Big Advanceの売上高

以上のことが、売上高に影響しています。参考に下図もご覧ください。こちらは決算説明資料にありました「BigAdvanceの売上高推移」です。

ココペリ、BigAdvanceの売上高推移

メインサービスであるBig Advanceの売上高ですが、総売上高は少ししか増加していません。これは月額利用料が増えているのにも関わらず、初期費用が減っているからです。つまり、初期費用が減ったということは、導入金融機関数の推移で分かるように新規導入金融機関数が減ったということです。月額利用の増加幅も小さくなったのも、会員企業数の増加幅が小さくなったためです。

解約率

このまま数が伸びていくか、解約率も確認しておきましょう。

下図をご覧ください。こちらは決算説明資料にありました「チャーンレートの推移」です。

ココペリ、チャーンレート推移

チャーンレートは、サービスの需要や質が測れます。需要があったり、質が良ければ、解約されることはないからです。

年間平均チャーンレートは、1.78%です。個人的には1%切るくらいの水準になって欲しいところです。今回の2Qで、1.33%まで下がりました。このまま、下がっていって欲しいです。今後、このレートには注意が必要です。

では、最後に株価が下落した理由を解説します。

増収増益でも株価下落した理由

四半期ベースでの成長

上述してきましたように、ココペリは前年比でみると確かに売上・利益ともに高い成長率です。しかし、ストック型の収益モデルがゆえに、四半期ベースでの成長も期待されているのが事実です。

そのため、今回のように前四半期に比べて、売上高が増加していないとなると、成長鈍化懸念からグロース株投資家は株を手放してしまいます。ココペリのようなハイグロース株なら、なおさら成長率には敏感になるので大きく株価が下がってしまいました。

コロナ禍/緊急事態宣言

また、上記のことに加え、成長基盤となるKPIも増加幅が小さくなっていることは、さらに成長鈍化懸念を煽ることになったでしょう。

これは「緊急事態宣言下のために営業活動できなかった」とありますが、実際はどうなのでしょうか?と考えてしまいます。ビジネスマッチングはコロナ禍で苦しい中小企業がいたから需要があり、伸びたサービスかもしれません。

つまり、確かにKPIの伸びが悪くなったのは、緊急事態宣言下のためだったからかもしれませんが、一方で、これまでの伸びはコロナ禍による特需で伸びていたのかもしれません。

その「コロナ特需かもしれない」と見えてしまうのは、下図も原因です。こちらは、「Big Advance導入の効果」についての資料です。

ココペリ、ビジネスマッチング件数推移

この図の「四半期ごとの商談依頼件数」を見てください。「コロナ禍で、商談件数は大きく増加」とあります。

また、今回の2Qになって数値が下がっています。これがまさに需要を表しているはずです。2Q時点ではまだ緊急事態宣言下でしたが、8月終わりからは急激に減り、コロナ収束も見え始めました。そのため、商談件数も減ってしまったのではないかとも考えられます。

以上のことから、コロナ特需はあったと考えられます。そのため、今後アフターコロナにおいて、このサービスの需要は続くのか、少し懸念が出てきてしまいました。

今後の目標

以上のことから、成長鈍化懸念を抱いてしまいましたが、ココペリとしては、「2023年度に導入金融機関数:100社」を目標に掲げています。下図をご覧ください。こちらは、今回の決算説明資料にありました「ユーザー基盤拡大」についての資料です。

ココペリ、ユーザー拡大

会員企業数は、以前から公表されている15万社から変わりないですが、新たに「2023年度」と明確な時期が公表されました。前年のようなペースでなら、導入金融機関数:100社は達成できるはずです。あとはそこに需要があるかどうかでしょう。需要が続けば、ストック型のために大きな成長が期待できることでしょう。となれば、大幅な株価上昇も期待できます。

緊急事態宣言が明けた成果が出る、次回または次々回の決算には注目ですね。ここでココペリのサービスの需要や成長性の真価が分かるはずです。

この目標達成時における目標株価については、以前ブログで算出しました。今回の決算資料を踏まえて、少し調整が必要そうなので、後日調整しておきます。「ココペリの目標株価」が気になる方は、下の記事からどうぞ。少しでも投資の参考になれば嬉しいです。

まとめ

以下、今回の記事のまとめです。

<決算内容>
・前年対比では好調
 ー 四半期ベースでは成長鈍化懸念
 ー ストック型の収益モデルがゆえに、四半期ベースでの成長も求められる

<株価下落の理由>
成長鈍化懸念
 ー 四半期ベースでの成長鈍化(売上高、KPI)
 ー アフターコロナでも需要/成長を維持できるか

みなさんは、どうお考えですか?

今後の目標として、ココペリでは「2023年度に導入金融機関数:100社」を掲げています。この目標達成時には「どこまで株価は上がるのか、それとも株価は下がってしまうのか」気になる方は、ぜひ以前に当ブログが算出しました目標株価の記事もご覧ください。参考になれば、嬉しいです。

さいごに

今回は、決算で増収増益だったのに、株価が下落してしまったココペリの決算をを分析しつつ、株価下落の理由を解説しました。

当ブログとしては、期待している銘柄の一つです。今回の決算で、成長性があるのか失われたのか判断が難しいです。ビジネスモデルとしては、とても強く感じています。あとはサービス自体の需要です。それがあると分かれば、タイミングを見て買いたいです。

いかがでしたか?参考になりましたか?
それとも、「ここはどうかな」と違う意見ですか?

今回の当ブログの考えと違う方がいらっしゃったり、参考になった方がいらっしゃれば、ご意見・コメントいただけると嬉しいです!

株式投資に絶対はありません。ぜひ皆さん、ご自身でも一度調べてみてください!
投資はあくまでも自己責任に基づき、自身でご判断願います。

他の銘柄の最新決算分析を読みたい場合は、下の記事でまとめています。

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ぜひ、他の記事もご覧ください!

当ブログでは、注目銘柄の目標株価を算出しています。気になる方は、下の記事をご覧ください。

また、当ブログでは「小型成長株投資」をメインにしています。サラリーマンの方にオススメできる小型成長株投資法の解説については、下の記事からどうぞ。

ここまで読んでくださり、ありがとうございます。
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これからも、どうぞよろしくお願いいたします!

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