【成長鈍化】NexTone(ネクストーン)の決算!その理由を詳しく解説

【成長鈍化】NexTone(ネクストーン)の決算!その理由を詳しく解説決算分析
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どうもこんにちは、平凡サラリーマン投資家のヒラです。

あなたは、NexTone(ネクストーン)という銘柄はご存知ですか?

楽曲の著作権の管理と利用促進を推進する企業です。当ブログは、「いつかJASRACと並んで、音楽著作権市場の寡占化ができるのでは?」と注目している銘柄です。

そんなNexToneですが、5/12の取引時間後に決算発表がありました。決算を見てみると、明らかに成長鈍化を感じる内容でした。なぜ、このように成長鈍化してしまったのでしょうか?

ということで今回は、成長鈍化に見えるNextoneの決算を分析しつつ、成長鈍化になった理由について解説していきます。

この記事は、下記のような人におすすめです。

  • NexTone(ネクストーン)の決算分析を知りたい
  • NexTone(ネクストーン)が成長鈍化した理由を知りたい
  • サラリーマン投資家で時間がないから、要点だけ知りたい

では、早速行ってみましょう!

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NexTone(ネクストーン)の前回決算のおさらい

まず、前回の決算内容をおさらいしておきましょう。

  • 売上高と利益ともに予算未達
  • DD業務は前四半期比で減少
  • KPIの管理曲数/原盤数ともには好調
  • 通期業績予想の未達懸念

上記のことで、決算発表の翌日には株価が大幅下落してしまいました。

詳しいNexTone(ネクストーン)の前四半期の決算分析については、下の記事で解説しています。業績の推移やどういう事象でそんな業績になったのか、株価に影響した内容を知りたい方は、ぜひ読んでください。

では、今回の決算内容を確認しましょう。

NexTone(ネクストーン)の決算分析

決算のみどころ

当ブログでは、成長性のある銘柄の一つとしてNexTone(ネクストーン)をみています。したがって、一番重要視したいのが「成長性」に関してです。

そのため、下記の項目に着目します。

  • 業績(売上や利益)
  • 投資(事業拡大)
  • ニュース(事業拡大、新規事業について)

もちろん、他のバランスシートやキャッシュ・フローも大切です。そこにも目を通しますが、この記事では時間がないサラリーマン投資家のために、重視するところを取り上げていきます。

業績推移

今回は、2023年3月期の通期決算が発表されました。

短信では、売上や利益が累計で出されています。当ブログでは、四半期ごとの売上や利益を算出し、前年と比較しています。下の表をご覧ください。

四半期ごとに下記の項目を算出しています。

  • 売上、営業利益、経常利益、純利益
  • 各対前年比(%)
  • 各累計計画対比進捗率(%)
NexTone(ネクストーン)の四半期業績推移

上の表をもとに、ポイントを絞って説明します。

2023年度の進捗率

まず、注目したいのは、2023年度の進捗率です。

業績予想に対して、売上高/営業利益/経常利益/純利益の順に、92%/94%/94%/117%でした。売上高や営業利益は未達で終えました。

この理由として、NexToneとしては理由を2点説明しています。

  1. 著作権管理業務における放送徴収額が低調だったことが影響
  2. DD業務における競合サービスの台頭により、成長が計画を下回った

特に気になるのが、「競合サービスの台頭」です。これについては後述します。

2024年度業績予想

まず、注目したいのは、2024年度の業績予想です。

売上高/営業利益/経常利益/純利益の順に、前期比で+15%/+19%/+19%/+11%です。売上高と利益ともに+10%台の成長率になってしまいました。急に成長率が低下したように感じます。

これは成長鈍化と言えるでしょう。この理由に関しては最後に解説します。

四半期売上高

つづいて、注目すべきは、四半期売上高です。

表を見てみると、過去最高の四半期売上高となりました。ただ、今期4Qの四半期売上高は前年同期比+25%と、大きく増加しました。これには好感が持てます。

もう少し詳しくみるために、セグメント別について確認しておきましょう。

セグメント

では、セグメント別の四半期ごとの売上・利益も見ていきましょう。下図をご覧ください。こちらは決算説明資料にありました「四半期毎業績推移」です。

NexTone(ネクストーン)四半期毎業績推移

NexToneは、主な事業は二つあります。

  • 著作権等管理事業(著作権管理業務/DD業務)
  • キャスティング事業

著作権等管理事業が全体売上高のほとんどを占めており、NexToneのメイン事業と言えます。そして、その中でもサービスが分けられ、80〜90%を占めているのが、DD業務です。なので、この収益のメインといえるDD業務に着目します。

DD業務ですが、今四半期の売上高が過去最高額となりました。前年同期比で+13.9%です。メインサービスがこの成長率だと物足りませんね。

その分、キャスティング事業が着実に大きくなっていますが、メインサービスだけに安心できません。

成長基盤であるKPIについても確認しておきましょう。

KPI

ここでは、特に著作権管理楽曲数と取扱原盤数を確認しましょう。下図をご覧ください。こちらは、今回の決算説明資料から抜粋しました「セグメント別業績(著作権等管理事業)」です。

NexTone(ネクストーン)のセグメント別業績(著作権等管理事業)

著作権管理楽曲数・取扱原盤数も増加傾向であることがわかります。

NexToneの収益は、「楽曲数 × 楽曲当たり徴収額」がとても重要です。管理楽曲数や取扱原盤数が多いほど、収益は大きくなると考えられます。

経営上重視している経営指標として、「管理楽曲数:毎期5万曲以上増加」「取扱原盤数:毎期10万原盤以上増加」が挙げられています。

2023年度は、

  • 管理楽曲数:+約9.3万曲
  • 取扱原盤数:+約16万曲 です。

これには好感が持てます。ただ、好調なのですが、いまいち業績寄与しないと感じてしまいます。

ストック型だと感じていましたが、実はそうではなかったのです。よくよく考えてみれば、そうでした。よく稼働してくれる作品や楽曲もあれば、中には登録だけしていて稼働しないものもあるはずです。

※例えば、会社でエース級の社員もいれば、ずっとネットサーフィンばかりで働いているのか分からない社員もいますよね。そういうことです。

つまり、単に楽曲数が多ければ良いってことでもないということです。今回の決算で、当ブログはそう感じました。

最後に、成長鈍化した理由について解説します。

NexTone(ネクストーン)が成長鈍化した理由

成長鈍化と言える背景

上述してきたような、今回の決算内容から見ても言えますが、決め手は下図です。こちらは決算説明資料にありました「中期業績計画の旧計画との差異」です。

NexTone(ネクストーン)の中期業績計画の旧計画との差異

見てわかるように、中計の2024年度2025年度ともに、売上高・利益の計画が下方修正されています。これは明らかに成長鈍化と言えます。

どうしてこうなってしまったのか、当ブログの考察を解説します。

成長鈍化の理由

成長鈍化した理由を説明していきます。それは、競合サービスの台頭だと考えています。

これまで、NexToneの競合はJASRACだけだと捉えていました。しかし、今回の決算説明資料でもあったように、DD業務の成長が計画を下回ったのは「競合サービスの台頭」とありました。

DD業務はNexToneの稼ぎ頭です。それが成長鈍化しているために、NexTone自体が成長鈍化してしまったと考えられます。

では、その競合サービスはどんなものなのかというと、当ブログが調べてみたところ「TuneCore Japan」ではないかと感じています。

TuneCore Japanは、著作権管理サービスをしており、アーティストと著作権管理事業者(JASRACやNexTone)の間に立って、届出や管理をしているようです。

そして、なんと注目すべきは「収益100%還元」を謳っています。著作権管理事業者に引かれずに、配信ストアの手数料だけ抜かれたら、残りは全てアーティストに収益が入ってくるのです。

アーティストは、このTuneCore Japanのサービスを年間利用料を払えばいいだけです。こうなると、アーティストとしてはこのサービスを使いたくなるでしょう。

ただ、登録はJASRACもしくはNexToneにしているので、そこへはTuneCore Japanが支払っていると思いますが・・・。

どちらにせよ、アーティストとしては、「登録は、JASRACでもNexToneでもどちらでも良いや」となりそうな予感がしています。

他にも競合サービスがあるかもしれませんが、当ブログが調べた限りでは、「このサービスが競合かな」と感じました。他に「こんな競合サービスがあるよ」と知っている方は、ぜひTwitterで教えてください。

まとめ

以下、今回の記事のまとめです。

<決算内容>
・売上高や利益は通期業績予想未達
・2024年度業績予想の成長率が低い
・DD業務の四半期売上高も増加率が低下
・KPIの管理曲数/原盤数ともには好調

<成長鈍化した理由>
・中計の下方修正
→競合サービスの台頭が原因?
→TuneCore Japanのサービスがあやしい(※当ブログ調べ)

いかがでしたか、あなたの投資の参考になりましたか?

当ブログでは、以前NexToneの目標株価を算出してみました。こちらの記事で解説しています。どれくらい株価上昇余地があるのか、気になる方は参考にしてみてください。

決算発表が本格化してきており、サラリーマン投資家は時間がなく、なかなか全部は見きれません。当ブログも同じサラリーマン投資家なので、そう感じています。そんな時間がないサラリーマン投資家のために、注目銘柄の決算発表をまとめたページを作りました。いろんなサイトへ行かずとも、注目銘柄の決算分析が見れます。特に、当ブログと同じ投資法をしている人なら、「この銘柄、自分も注目してる」と共感できるはずです。

他の銘柄の最新決算分析は、下の記事でまとめています。ぜひ一度ご覧ください。

さいごに

今回は、成長鈍化に見えるNextoneの決算を分析しつつ、成長鈍化になった理由について解説しました。

安定感のある銘柄として注目していましたが、崩れてしまいました。これまで競合の影が見えなかったのですが、とうとう出てきました。JASRACもこんな気持ちだったのでしょうね。

投資する前に、競合サービスがどれくらい浸透するのか、今後の音楽市場の動向をチェックしないといけませんね。

いかがでしたか?参考になりましたか?それとも、「ここはどうかな」と違う意見ですか?

今回の当ブログの考えと違う方がいらっしゃったり、参考になった方がいらっしゃれば、ご意見・コメントいただけると嬉しいです!

株式投資に絶対はありません。ぜひ皆さん、ご自身でも一度調べてみてください!投資はあくまでも自己責任に基づき、自身でご判断願います。

他の銘柄の最新決算分析を読みたい場合は、下の記事でまとめています。

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