どうもこんにちは、平凡サラリーマン投資家のヒラです。
みなさんは、マネーフォワードという銘柄はご存知ですか?お金の不安・不満を解消する会社です。「マネーフォワード」というアプリを使っている人も多いと思います。
そんなマネーフォワードですが、1/14に決算発表がありました。決算短信を見ると、高い売上成長率。しかし、翌日から株価は上がるどころか下がっています。
成長率は高いのに上がらないのはなぜでしょうか?今の相場のせいでしょうか?それとも、詳しく見たら何か決算に悪い点があったのでしょうか?
というわけで今回は、高い成長率のマネーフォワードの決算を分析し、株価下落の理由を解説していきます。
この記事は、
・分析の仕方を知りたい
・マネーフォワードについての情報を共有したい
・意見交換したい
・分析についてアドバイスしたい
上記のような方におすすめです!
では、早速行ってみましょう!
株価チャートを確認
下のチャートをご覧ください。こちらは、直近6ヶ月のマネーフォワードの日足チャートです。
見ての通り、11月あたりまでは高値圏をキープしていたのですが、11月終わりに業績予想の修正と相場の悪化が重なり、株価は下がり始めました。さらに2022年に入って、レーティング情報での目標株価引き下げにより、窓を開けての大幅下落。そして止まらぬグロース相場の悪化。
そして、1/14の取引時間後に決算発表があり、決算短信をみると売上成長率は高いものでした。反発するかと思われましたが、株価は反発せず下がり続けています。その結果、マネーフォワードの株価は昨年の高値から、約半値ほどの水準になってしまいました。
成長率は高いのに上がらないのはなぜでしょうか?今の相場のせいでしょうか?それとも、詳しく見たら何か決算に悪い点があったのでしょうか?
では、今回の決算内容を確認しましょう。
決算内容
決算のみどころ
当ブログでは、「成長できる銘柄かどうか」でマネーフォワードをみていきます。したがって、一番重要視したいのが「成長性」に関してです。そのため、下記の項目に着目します。
項目としては、
・損益(売上や利益)
・投資(事業拡大)
・ニュース(事業拡大、新規事業について)
について着目していきます。
もちろん、他のバランスシートやキャッシュ・フローも大切です。そこにも目を通しますが、この記事では重視するところを取り上げていきます。
業績
直近では、2021年11月期の通期決算が発表されました。
短信では、売上や利益が累計で出されています。当ブログでは、四半期ごとの売上や利益を算出し、前年と比較しています。下の表をご覧ください。
四半期ごとに
・売上、営業利益、経常利益、純利益
・各対前年比(%)
・各累計計画対比進捗率(%)
を算出しています。
こちらをもとに、ポイントを絞って説明します。
来期業績予想
まず、注目していただきたいのが、来期業績予想です。
マネーフォワードでは、来期業績予想をレンジ予想されていました。上表では、その中間値を載せています。売上高予想は+30〜40%のレンジ出されていました。これは非常に高い水準です。
さらに下図もご覧ください。こちらはマネーフォワードの「SaaSサービスのARR(年間ストック収益)の予想」です。
見ての通り、2022年度は+40〜50%でARRが増加する見込みです。これも非常に高い水準であり、ストック収益がここまで大きく伸びるのは、好感が持てます。
四半期ベースでの売上高
次に、注目していただきたいのが、四半期ベースでの売上高です。
表を見てみると、今回の4Qが過去最高額の四半期売上高です。このことからもストック売上高が積み上がっていることが推測できますね。詳しくは後述します。
サービス別についても確認しておきましょう。
サービス
では、サービス別の四半期ごとの売上高も見ていきましょう。
下図をご覧ください。こちらは決算説明資料にありました「四半期ごとのサービス別の売上高推移」です。
売上高比率が70%程度もあることから見ても、メインセグメントはBusinessサービスです。四半期ごとに売上高が増しており、好感が持てます。
好感が持てます。前年比も+37%と高い成長率です。
もう少し詳しく掘り下げてみます。
下図もご覧ください。こちらは直近の決算説明資料にありました「Business/課金顧客数とARPAの成長」についての資料です。
課金顧客数は堅調です。しかし、個人事業主顧客数の増加スピードは鈍化してきたように感じます。
そして、ARPUは個人事業主が減り、法人は増加という状態です。合計でみると、緩やかに増加傾向ではあります。この個人事業主のARPUが増やせれば、課金顧客数も多いことから一気に売上高が大きく伸びてきそうですが、無理なのでしょうか。
今は、法人の顧客数とARPUが増加しているから、高い成長率が維持できていますが、これから個人事業主の顧客数が停滞し、ARPUが減少するようであれば、成長の脚を引っ張ってしまうでしょう。
成長しているかどうかKPIについても確認しておきましょう。
KPI
KPIについても確認します。マネーフォワードの魅力はストック収益モデルだということです。その収益がどれくらい大きくなっているか測るために、KPIとして「四半期SaaS ARR」を確認します。マネーフォワード自身もARRの成長に注力いています。
下図をご覧ください。こちらは決算説明資料にありました「SaaS ARR」についての資料です。
見てわかるように、どのサービスも堅調ですし、何より全体ARRが四半期ごとに積み上がっています。前年同期比で+33%と、高い成長率です。メインサービスのBusiness法人のARRは+37%と、牽引していることが分かります。成長性は継続されているので、好感が持てますね。
他にも成長戦略やTAMなど、気になる部分はありましたので、ぜひ決算資料を読んでみてください。
では、最後に株価が下がる理由を解説します。
株価が下がる理由
今回の決算は、好感の持てる決算でした。少し気になる部分はあったものの、それを上回る成長率があります。2022年度の予想も非常に高く好感が持てます。しかし、それでも株価は下がってしまっています。
主な理由として考えられるものは、以下の2点です。
<株価が下がる理由>
・赤字継続
・相場の悪化
赤字継続、さらに赤字拡大の可能性もあります。これは中長期的な成長に向けての投資のためです。しかし、投資家の中には、利益回収のフェーズを待ち望んでいる人もいることでしょう。
そして、上述しましたように、現在株式市場の相場は悪化しています。特にグロース株には厳しい状態です。相場が悪化している理由は、下記の通りです。
<相場悪化の原因>
・米国でのテーパリング早期化
ー 利上げ早期化
ー 米国長期金利上昇
→ 株式のリターンに対して相対的評価低下
以上より、キャピタルゲイン狙いのグロース株は特に売られているのです。
マネーフォワードは赤字業績が続いています。そのため、銘柄を評価するためには、売上高成長率くらいしかありません。利益が出ていれば、その利益に対して、株価が割安/割高の判断ができますが、マネフォワードではできません。安定した利益が売上高に対してどれくらい出せるのか、過去の実績もないので、赤字銘柄は売られる一方です。
グロース株の相場になれば、また成長率の高さから注目され買われるでしょうが、今は仕方がありませんね。また利益が出てくれば状況は変わってくるかもしれませんが、中期的には成長投資フェーズなので、期待はできませんね。
他にも、マネフォワードケッサイ株式会社の評価損784百万円もありますが、これは一時的なものなので個人的にはそこまで大きくないと感じています。
まとめ
以下、今回の記事のまとめです。
<決算内容>
・高い成長性
・堅調なSaaS ARR
・メインサービスも堅調
・来期業績予想も高い成長性
<株価が下がる理由>
・赤字継続
・相場の悪化
ー グロース株は売られる相場
ー さらに赤字継続なので、将来的な利益創出の大きさも測りづらい
みなさんは、どうお考えですか?
さいごに
今回は、高い成長率のマネーフォワードの決算を分析し、株価下落の理由を解説しました。
当ブログとしては、好決算だったように見えます。非常に高い成長性、特にARRが+40〜50%は好感が持てます。ただ、今はグロース株には厳しい相場です。今はグッと我慢して、投資するのは底から反転してからです。
また、当ブログでは、目標株価を見定めてから株価2倍になる可能性があるものに投資するつもりです。また後日、目標株価を算出し、2倍になる可能性があるなら投資しようと考えています。マネーフォワードの目標株価については、下の記事で解説しています。
いかがでしたか?参考になりましたか?
それとも、「ここはどうかな」と違う意見ですか?
今回の当ブログの考えと違う方がいらっしゃったり、参考になった方がいらっしゃれば、ご意見・コメントいただけると嬉しいです!
株式投資に絶対はありません。ぜひ皆さん、ご自身でも一度調べてみてください!
投資はあくまでも自己責任に基づき、自身でご判断願います。
他の銘柄の最新決算分析を読みたい場合は、下の記事でまとめています。
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当ブログでは、注目銘柄の目標株価を算出しています。気になる方は、下の記事をご覧ください。
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ここまで読んでくださり、ありがとうございます。
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これからも、どうぞよろしくお願いいたします!
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