どうもこんにちは、平凡サラリーマン投資家のヒラです。
みなさんは、HENNGE(ヘンゲ)という銘柄はご存知ですか?
SaaS認証基盤を提供している会社です。つまり、クラウド型セキュリティ事業と言え、日本におけるIDaaSの先駆けです。今、社会的な流れとも言えるDX化ですが、そのDX関連株の代表的な銘柄の一つです。
そんなHENNGEですが、2/10の取引時間後に決算発表があり、その翌日に株価は窓を開けて大きく下げました。安定感のある事業が特徴でしたが、一体何があったのでしょうか?なぜ、こんなに下げ続けるのでしょうか?
ということで今回は、株価下落が止まらないHENNGE(ヘンゲ)の決算発表を分析し、なぜ下げ続けるのか、理由を解説していきます。
→最新の決算分析については、下の記事で解説しています。
最新の決算分析を読みたい方は下からどうぞ。
この記事は、
・分析の仕方を知りたい
・HENNGE(ヘンゲ)についての情報を共有したい
・意見交換したい
上記のような方におすすめです!
前回の決算については、以前ブログにて紹介しました。こちらの記事を読むと、業績の推移が分かりやすく、今回の記事が理解しやすくなります。
では、早速行ってみましょう!
株価チャートを確認
下のチャートをご覧ください。こちらは直近6ヶ月のHENNGE(ヘンゲ)の日足チャートです。
11月中旬に一度大きく下がりました。これは前回の決算が原因でした。大きく下がった後、横ばいになったものの、12月下旬から株価は下降トレンドになってしまいました。
これは相場悪化のためです。11月下旬から相場は悪化していました。しかし、しばらくの間HENNGE(ヘンゲ)は耐えられていたのですが、とうとう12月下旬から耐えられずに下がり始めてしまったのです。
相場悪化の原因は下記の通りです。
<相場悪化の原因>
・日本での金融所得課税増税が話題に
ー 株式投資離れ、今のうちに手仕舞いする投資家の増加
・米国でのインフレ加速、テーパリング早期化
ー 利上げ早期化
ー 米国長期金利上昇
→ 株式のリターンに対して相対的評価低下
・ウクライナの地政学的リスク
ー ロシアからヨーロッパへの原油・天然ガスの経由地であるウクライナで、戦争勃発か?
ー ロシアからのエネルギー供給減予測
→ 世界エネルギー価格高騰
→ コロナ感染拡大と併せて、世界経済にダブルパンチ
上記のことから、特にグロース株相場が悪化しています。軒並み株安になっており、もちろんグロース株であるHENNGE(ヘンゲ)も、もれなく株価は下がってしまったというわけです。
そんな中、2/10の取引時間後に決算発表がありました。「株価反発になれば」と期待した決算発表でしたが、翌日に株価は窓を開けての大幅下落。底はまだ見えてきません。
しかし、そろそろ底打ちするかもしれません。なぜなら、グロース株に資金が戻ってきているからです。理由は下記の通りです。
<グロース株に資金が戻っている理由>
・ウクライナ情勢の緊迫化
ー 世界経済の先行き不透明
→ 米国の利上げが止まるか
上記の憶測から、またグロース株に資金が集まり始めました。まだ、断定的ではありませんが、実際にそうなったら、よっぽどひどい決算内容でない限り、株価は反発することでしょう。
では、その投資チャンスのために、今回の決算内容を確認しましょう。
決算内容
決算のみどころ
当ブログでは、今後成長が期待できる銘柄の一つとしてもHENNGE(ヘンゲ)をみています。したがって、一番重要視したいのが「成長性」に関してです。そのため、下記の項目に着目します。
項目としては、
・損益(売上や利益)
・投資(事業拡大)
・ニュース(事業拡大、新規事業について)
について着目していきます。
もちろん、他のバランスシートやキャッシュ・フローも大切です。そこにも目を通しますが、この記事では重視するところを取り上げていきます。
損益
直近では、2022年9月期の第1四半期決算が発表されました。
短信では、売上や利益が累計で出されています。当ブログでは、四半期ごとの売上や利益を算出し、前年と比較しています。下の表をご覧ください。
四半期ごとに
・売上、営業利益、経常利益、純利益
・各対前年比(%)
・各累計計画対比進捗率(%)
を算出しています。
上の表をもとに、ポイントを絞って解説していきます。
進捗率
まず、注目すべきは進捗率です。
売上高/営業利益/経常利益/純利益の順に、23/45/43/46%と例年通りです。悪いものではありませんね。
四半期ごとの売上高
注目していただきたいのが、四半期ごとの売上高です。
今四半期は、過去最高の四半期売上高でした。メインサービスのHENNGE Oneは全体の約90%を占め、その中でストック比率は97%程度もあります。そのため、着実に毎四半期売上高を積み上げています。
売上総利益率
さいごに注目していただきたいのが、上の表には載っていませんが売上総利益率です。
代わりに下図をご覧ください。こちらは決算説明資料にありました「売上総利益の推移」です。
見ていただいてわかるように、右肩上がりに四半期ごとに売上総利益が増加しています。そして、売上総利益率は84.1%と高水準です。この水準は、当ブログの体感だと営業利益率:25%以上になるのポテンシャルがあります。
また、下図もご覧ください。こちらは当ブログが注目50銘柄のファンダメンタル比較をした表(売上総利益率順)です。
この優良銘柄のなかでも、HENNGE(ヘンゲ)の売上総利益率は高く、上位に入っています。この表についての説明は、下の記事で詳しく説明しています。他にも、売上成長率順や時価総額順で並べた表もありますので、ご確認ください。
続いて、サービス別にも確認しておきましょう。
サービス別
サービス別、特にHENNGE ONEの四半期ごとの売上も見ていきましょう。
下の表をご覧ください。
・HENNGE ONEの四半期売上
・対前年比(%)
・売上比率(%)
・HENNGE ONEのKPI
上記のことを載せています。
メインセグメントであるHENNGE ONEサービスの売上は増加し過去最高の四半期売上高です。前年比で+19%と、前期に比べて少し前年対比の水準は下がってしまいましたね。
KPIであるARR/契約企業数/契約ユーザー数は、最高値です。これについても好感が持てますが、こちらも前年に比べて増加数が落ち着いてきた印象がありますね。
解約率が0.24%です。まだ1%未満なので、とても低い水準ではありますが、以前は0.1%台だったので印象としては良くありません。
今後の成長性を計るために、もう少し詳しくKPIについても確認しておきましょう。
KPI
重要指標
KPIは、メインセグメントであるHENNGE ONE事業の
・解約率
・ARR(年間経常収益)
に着目します。
ARR = N(契約社数) × n(平均ユーザー) × ARPU(ユーザーあたり単価)
<HENNGEの成長戦略>
・短期的には契約社数の増加
・中長期ではARPU(ユーザー当たりの年間経常収益)の上昇に注力
→2021年9月期に変曲点を作り、2022年9月期以降でARPU成長率上昇を目指す
上記達成のためには、ユーザー数が多いこと、解約率が低いことが必要になってきます。
上述した「サービス別」で挙げたユーザー数と解約率について確認しましょう。
ユーザー数と解約率
下図をご覧ください。こちらは今回の決算説明資料にありました「平均月次解約率の推移」「契約企業数と契約ユーザー数の推移」です。
解約率が、前回に比べて下がっています。上述しましたように、まだ1%未満で、0.24%という数値自体は、非常に低いです。また、理論上の平均契約年数も、前回の約33年から、約35年と増加しています。ストック型の収益モデルなので、解約率が低い=契約が続くことが収益の拡大につながるので、この数値は重要です。
契約企業数/契約ユーザー数は堅調に増加しています。広告宣伝の効果があったと考えられますね。中長期的には、この広告費が削減されても安定的な成長ができることに期待しています。
ARR
では、一番重要指標であるARRについて確認しておきましょう。下図をご覧ください。こちらは決算説明資料にありました「ARRとARPUの推移」です。
見ての通り、ARRは過去最高額です。着実に、ARRを伸ばしています。中期的に注力するARPUも堅調に上がっています。好感が持てますね。
ARRですが、HENNGEとしては下図のような成長目標を掲げています。
現在、HENNGE OneサービスのARRは47.4億円ですが、それを2025年度までにARR:100億円以上を目指すようです。となると、年平均+20%以上の成長が必要になります。
また、この数値の時の目標株価については、下の記事で解説しています。これも底堅さの理由の一つになりますね。
以上を踏まえて、なぜ株価は下げ続けるのか理由を解説します。
株価が下げ続ける理由
株価が下げ続けている理由は、主に下記の3つあります。
<株価が下げ続けている理由>
・相場悪化
・KPIの伸び
・成長投資
上述しましたように、現在相場が悪化しています。その理由として、金利上昇があり、これによりグロース株離れが起きています。そのため、HENNGE(ヘンゲ)も下がっています。
そして、主要KPIであるARRの伸びが前年よりも悪くなっています。それも今期も成長投資フェーズであるにも関わらず、前期よりも伸びが悪くなっているのは、投資家の印象としてよくありません。
これは成長鈍化懸念として捉えられることでしょう。グロース株には将来価値に対して、投資しています。成長鈍化となれば、将来価値も低下してしまいます。さらに金利上昇で、その相対的価値も低下します。そのため、株は手放されてしまったというわけです。
まとめ
以下、今回の記事のまとめです。
<決算内容>
・順調な進捗率
・KPI:契約企業数/ユーザー数/ARRは増加、解約率は少し低下
<株価が下げ続けている理由>
・相場悪化
・KPIの伸び
・成長投資
ー 成長鈍化懸念に加え、金利上昇により、相対的にも将来価値の低下
→ 株が手放された
みなさんは、どうお考えですか?
さいごに
今回は、株価下落が止まらないHENNGE(ヘンゲ)の決算発表を分析し、なぜ下げ続けるのか、理由を解説しました。
毎回決算を見ていても、なかなか堅実だと感じています。解約率も低い上に、ストック売上比率も90%近い。さらに、売上成長率も+20%程度もあります。しかし、今回は前期に比べて伸びが悪いために、成長鈍化懸念となりました。ビジネスモデルから見て、良い銘柄だと感じているのですが、それでもグロース株投資家は成長鈍化には厳しいというわけです。ただ、また伸びが戻ってくれば、また株価も戻してくることでしょう。
いかがでしたか?参考になりましたか?
それとも、「ここはどうかな」と違う意見ですか?
今回の当ブログの考えと違う方がいらっしゃったり、参考になった方がいらっしゃれば、ご意見・コメントいただけると嬉しいです!
株式投資に絶対はありません。ぜひ皆さん、ご自身でも一度調べてみてください!
投資はあくまでも自己責任に基づき、自身でご判断願います。
他の銘柄の最新決算分析を読みたい場合は、下の記事でまとめています。
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主に、投資手法・銘柄分析・おすすめ本の紹介などをアップしていきます。
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当ブログでは、注目銘柄の目標株価を算出しています。気になる方は、下の記事をご覧ください。
また、当ブログでは「小型成長株投資」をメインにしています。サラリーマンの方にオススメできる小型成長株投資法の解説については、下の記事からどうぞ。
ここまで読んでくださり、ありがとうございます。
「投資を始めたい」「サラリーマンでも投資できるかな」「小型株始めたいな」という方の参考になれば幸いです!
これからも、どうぞよろしくお願いいたします!
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