どうもこんにちは、平凡サラリーマン投資家のヒラです。
みなさんは、関通という銘柄をご存知ですか?
関通は、主にEC及び通信販売事業を展開するお客様の販売商品の入庫、在庫管理及び出庫等の配送センター業務を代行するEC・通販物流支援サービスをしている企業です。他にも自社開発の倉庫管理システム「クラウドトーマス」も提供しています。
さて、現在の予想PERは16.8倍です。今後伸びていくEC市場、それを支える物流業界。その業界の中でECに強く、成長期待される関通ですが、予想PERは20倍未満です。これは割安なのではないでしょうか?
しかし、株価はずっと下落しています。割安なのに、一体なぜでしょうか?もしかして、これは割安ではないのでしょうか?
というわけで今回は、割安成長株の候補である関通の直近決算を分析し、割安に見えるのに株価が下落している理由を解説していきます。
→最新の決算分析については、下の記事で解説しています。
最新の決算分析を読みたい方は下からどうぞ。
この記事は、
・分析の仕方を知りたい
・関通についての情報を共有したい
・意見交換したい
・分析についてアドバイスしたい
上記のような方におすすめです!
では、早速行ってみましょう!
株価チャートを確認
まず、下のチャートをご覧ください。こちらは直近6ヶ月の関通の日足チャートです。
昨年の7月に業績予想の上方修正と株式分割の公表を機に、株価は大きく上がりました。
しかし、昨年の10月決算発表を機に、株価はずっと下がり続けています。一体、どんな決算だったのでしょうか?
現在関通の株価は716円です。そして、予想PERは16.8倍です。近年の成長率を見ると、割安に感じてしまいます。しかし、株価はまだ下がり続けています。どんな理由があるのでしょうか?
では紐解くために、直近の決算内容を確認しましょう。
決算内容
決算のみどころ
当ブログとしては、今後成長が期待できるグロース株の一つとして、関通を見ています。したがって、一番重要視したいのが「成長性」に関してです。そのため、下記の項目に着目します。
項目としては、
・損益(売上や利益)
・投資(事業拡大)
・ニュース(事業拡大、新規事業について)
について着目していきます。
もちろん、他のバランスシートやキャッシュ・フローも大切です。そこにも目を通しますが、この記事では重視するところを取り上げていきます。
業績
直近では、2022年2月期の第2四半期決算が発表されました。
短信では、売上や利益が累計で出されています。当ブログでは、四半期ごとの売上や利益を算出し、前年と比較しています。下の表をご覧ください。
四半期ごとに
・売上、営業利益、経常利益、純利益
・各対前年比(%)
・各累計計画対比進捗率(%)
を算出しています。
昨年の3月に新規上場したばかりでデータが少ないですが、こちらの表をもとに、ポイントを絞って解説します。
進捗率
まず、注目していただきたいのが、進捗率です。
売上収益/営業利益/経常利益/純利益の順で、48%/53%/53%/54%と順調です。売上高の進捗率は少し低く感じるかもしれませんが、4Qには年末商戦もあり、売上高は大きくなることが予想されるので、大丈夫でしょう。
四半期ごとの売上高
次に、注目していただきたいのが、四半期ごとの売上です。下図も併せてご覧ください。こちらは決算説明資料にありました「四半期売上高推移」です。
季節的な要因での変動はありますが、増加傾向にあることがわかります。直近4四半期の売上高の移動平均線を見ても右肩上がりなことが分かります。しかし、少し傾きが緩やかになったように見えますね。
表の前年比の数値を見ても、2021年度はずっと+30%前後の成長率だったにも関わらず、直近の2Qでは前年比+10%と、成長鈍化を懸念してしまいます。
営業利益率
続いて、注目していただきたいのが、営業利益率です。
前年度の実績では、売上高:9,539百万円、営業利益:418百万円で営業利益率:4.39%でした。それが今期の業績予想では、売上高:10,756百万円、営業利益:617百万円で営業利益率:6.23%になっています。営業利益率が改善されてますね。
セグメント別でも確認しておきましょう。
セグメント別
セグメント別の四半期ごとの収益も見ていきましょう。下図をご覧ください。こちらは決算説明資料にありました「セグメント別の収益」です。
図を見ての通り、メインセグメントは「物流サービス」事業です。売上高は、このセグメントが大半を占めています。しかし、営業利益を見てみると、ITオートメーション事業も貢献していることが分かります。
メインは物流サービスでありながらも、今急成長しているのはITオートメーション事業です。前年度から約2倍の売上高になっています。また、営業利益率も30%近くあります。
関通としては、物流サービスを基盤、ITオートメーションが成長の柱としているように感じられます。ですが、まだITオートメーションのインパクトは小さいですね。今後に期待です。
成長基盤があるかどうか、KPIについても見ておきましょう。
KPI
ここでは、メインセグメントである物流サービス事業のKPIに注目します。
物流拠点坪数
下図をご覧ください。こちらは決算説明資料にありました「物流拠点坪数」についての資料を抜粋しました。
見ての通り、売上高と物流拠点坪数は連動していることが分かります。2022年度にはさらに拠点が拡張するので、今後さらに売上高を伸ばすことができると推測できます。ただ、売上成長のためには、物流拠点の拡張という投資が必要になることも事実です。
つまり、売上成長していても、投資するために利益成長は一時的に停滞するときもあるということです。ここが、単純に売上成長しているからといって、企業成長しているとは考えてはいけない点ですね。
そう考えると、やはりITオートメーション事業のようなシステム販売が、どんどん成長していけば効率が良さそうですね。
月間出荷個数
下図をご覧ください。こちらは決算説明資料にありました「物流サービスの月間出荷個数」についての資料を抜粋しました。
グラフを見ると、2022年度は8月までのすべての月で、前年度よりも上回っています。特に、3月〜5月の1Qにあたる部分は大きく上回っています。これが1Qの四半期売上高が前年より大きく増加していた要因ですね。2Qにあたる6月〜8月は確かに、1Qのよりも前年比でのアウトパフォーム量が小さく見えます。
これが3Qでまた前年比で大きく上回るようなら、成長は堅調と判断できます。しかし、2Q並みの水準が3Qでも続くようなら、成長鈍化として捉えられるでしょう。
他にも関通の強みやサービス概要など、気になる部分はたくさんありましたので、ぜひ決算資料を読んでみてください。
では続いて、割安に見えるのに株価が下がり続けている理由を解説していきます。
株価が下がる理由
上述してきたことから、株価が下がる理由を解説します。
<株価が下がる理由>
・四半期売上高での前年比成長率が鈍化懸念
・KPIの月間出荷個数も前年比でそこまで増えていない
ー前年が特需なだけで、企業としての成長率が高くないのかもしれない
前年比で見ると、直近の2Q決算ではこれまでよりも成長率が下がっていました。これは月間出荷個数から見ても、個数が1Q並みに前年比で増えていないことが分かります。
となると、「前年度から今期1Qまでが特需で市場のニーズが増えていただけで、直近2Qではその特需がなくなってしまったのではないか」と考えてしまいます。つまり、「特需がありきの高成長だっただけで、この成長率は長く続かないかも」と推測する投資家もいます。
そのため、高成長を見込んでいた投資家は離れてしまい、さらに相場がグロース株には厳しくなっているために、より多くのグロース株投資家が手放しているのでしょう。
ただ、これはチャンスという見方もあります。3Qで成長率や月間出荷個数が戻るようなら、まだ可能性はあります。さらに利益率の良いITオートメーション事業が成長すれば、関通の利益率は改善されていくことでしょう。次回の3Q決算は、要チェックです。公表されたら、当ブログでもまた決算分析し、ブログでアウトプットしますね。
まとめ
以下、今回の記事のまとめです。
<決算内容>
・四半期売上高での前年比成長率が鈍化
・物流拠点坪数は堅調、さらなる大きな成長にも耐えられそう
・月間出荷個数もそこまで大きく前年度を上回っていない
<株価が下がる理由>
・上記のことから、成長鈍化懸念
ー 特需ありきの高成長だけで、長く高成長は続かないかも
みなさんは、どうお考えですか?
さいごに
今回は、割安成長株の候補である関通の直近決算を分析し、割安に見えるのに株価が下落している理由を解説しました。
当ブログとしては、少し心配になる決算でした。関通では、中期経営計画も公表されているので、そちらも確認して目標株価を算出し、株価2倍になる可能性があるなら、投資しようと考えてます。目標株価が算出できましたら、またブログでアウトプットしますね。
いかがでしたか?参考になりましたか?
それとも、「ここはどうかな」と違う意見ですか?
今回の当ブログの考えと違う方がいらっしゃったり、参考になった方がいらっしゃれば、ご意見・コメントいただけると嬉しいです!
株式投資に絶対はありません。ぜひ皆さん、ご自身でも一度調べてみてください!投資はあくまでも自己責任に基づき、自身でご判断願います。
他の銘柄の最新決算分析を読みたい場合は、下の記事でまとめています。
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ここまで読んでくださり、ありがとうございます。
「投資を始めたい」「サラリーマンでも投資できるかな」「小型株始めたいな」という方の参考になれば幸いです!
これからも、どうぞよろしくお願いいたします!
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