※2021/5/15更新
どうもこんにちは、平凡サラリーマン投資家のヒラです。
みなさんは、NexTone(ネクストーン)という銘柄はご存知ですか?
NexTone(ネクストーン)は、楽曲の著作権の管理と利用促進を推進する企業です。当ブログは、「いつかJASRACと並んで、音楽著作権市場の寡占化ができるのでは?」と注目している銘柄です。
そんなNexToneですが、仮に寡占化状態まで持っていけたら、どこまで成長するのか、そしてどこまで株価が上がるか、気になるところです。
そこで今回は、成長可能性からNexTone(ネクストーン)の目標株価を算出し、将来どこまで株価が上がるのか、ここは買いのタイミングなのか確認していきます。
この記事は、
・NexToneの目標株価を知りたい
・NexToneについての情報を共有したい
・意見交換したい
上記のような方におすすめです!
NexToneの直近決算については、以前ブログにて紹介しました。こちらの記事を読むと、今回の記事がより理解しやすくなります。
では、早速行ってみましょう!
株価チャートを確認
下の株価チャートをご覧ください。こちらは直近6ヶ月のNexToneの日足チャートです。
11月中旬から大きく株価は下がりました。これは、株式相場の悪化が原因です。立て続けに株式市場には悪い材料が出てきました。主な理由は下記の通りです。
<相場悪化の原因>
・日本での金融所得課税増税が話題に
ー 株式投資離れ、今のうちに手仕舞いする投資家の増加
・米国でのテーパリング早期化
ー 利上げ早期化
ー 米国長期金利上昇
→ 株式のリターンに対して相対的評価低下
・ウクライナの地政学的リスク
ー ロシアからヨーロッパへの原油・天然ガスの経由地であるウクライナで、戦争勃発
ー ロシアからのエネルギー供給減予測
→ 世界エネルギー価格高騰
→ コロナ感染拡大と併せて、世界経済にダブルパンチ
上記のことから、特にグロース株相場が悪化しています。軒並み株安になっており、もちろんグロース株であるNexTone(ネクストーン)も、もれなく株価は下がり続けています。
2月に割安感からか株価は底をつき、ようやく上がり始めてきました。
ここで気になるのは、
「ここからまた株価は戻すのか」
「もうここが適正価格なので、もう上がらないのか」
ですよね。
今後の中長期的にどれくらい株価が上がるかが分かれば、投資判断しやすくなります。そのために、目標株価を算出してみます。その株価に対して、現在の株価が低くければ割安だから買いますし、逆に現在の株価が高いようなら割高だから買いを見送ります。
これで、すごい高い目標株価が算出できたら、今は絶好の買い場かもしれません。
では、目標株価を算出していきましょう。
目標株価の算出方法
その前に目標株価の算出方法を説明します。下記の通りの手順です。
1)将来の利益を算出
2)将来のEPSを算出
3)将来PER:15倍/20倍/40倍の目標株価を算出
では、詳しく説明します。
まず、NexTone(ネクストーン)が公表している決算資料から、将来の目標数値を参考に、将来的な利益を割り出します。その後、現在の株式数で割り将来のEPSを算出します。そして、PER:15倍/20倍/40倍の時のそれぞれの株価を算出します。このPER数値の基準は下記のような当ブログの体感数値になります。
<PER数値の基準:当ブログの体感>
15倍:毎年安定した利益を生み出す成長率±0%の時に妥当な値
20倍:成長率+10%の時に割安な(=「ここまでは株価上がるだろう」という)値
40倍:成長率+20%の時に割安な(=「ここまでは株価上がるだろう」という)値
この値に対して、「なぜ割安と言えるのか?」ということについては、以前「成長率に対してのPERの目安」の記事で解説しました。こちらはグロース株投資のコツとも言えます。グロース株投資をしている方は、ぜひ一度読んで見てください。
では、算出していきます。
NexTone(ネクストーン)の目標株価(長期目線)
目標株価算出の基準設定
まず、どこを基準にするか決めます。下図をご覧ください。こちらは2021年8月に公表された「事業計画及び成長可能性に関する事項」にありました「成長シナリオ」に関する資料です。
こちらの図を見ると、長期目線では「著作権管理市場シェア50%・著作権使用料徴収額600億円+α」が目標として掲げられています。目標株価算出にあたり、こちらの数値を基準にしますが、どちらか低い方の数値を採用します。
つまり、著作権管理市場シェア50%の著作権使用料徴収額と600億円のどちらか低い方を使います。その方が、「目標達成しやすい=株価も達しやすい」と考えました。ということで、まず現在の市場規模をもとに比較してみます。
下図をご覧ください。こちらは2021年8月に公表された「事業計画及び成長可能性に関する事項」にありました「市場構造」に関する資料です。
図の右下を見てみると、「2021年度の著作権使用料徴収額:JASRA1,126億円、当社77億円 (当社シェア6.4%)」とあります。ということは、2021年度時点での市場規模は2社合計の1,203億円になります。これのシェア50%となると601.5億円となり、「シェア50%>600億円」ということが分かります。
なので、今回の目標株価算出のための基準は、著作権使用料徴収額:600億円を基準とします。
将来の利益を算出
では、著作権使用料から利益を出していきましょう。下図をご覧ください。こちらは2022年度第2四半期決算にありました「事業内容」についての資料です。
この円グラフの「著作権管理」業務部分の取扱高は、13.8億円×58.7%=77.37億円、つまりこれが著作権徴収額です。
まず先にNexToneの売上の11.6%を占めている「著作権管理業務」のみの売上を算出します。そのあと、“著作権使用料徴収額が600億円になったときも、この売上比率だったと仮定”し、これに100%換算することで、NexTone全体の売上高を算出し、利益を求めていきます。
上述しましたように、2021年度のNexToneの著作権使用料徴収額は77億円でした。そして、2021年度の著作権管理業務の売上は7.1億円(=61.2億円×11.6%)でした。では、このとき著作権使用料徴収額が600億円になったときの部分的な売上を計算します。
<2021年度>
著作権使用料徴収額:77億円
著作権管理業務のみの売上高:7.1億円
↓
<長期目標>
著作権使用料徴収額:600億円
著作権管理業務のみの売上高:55.3億円
これはまだNexTone全体の11.6%分でしかありません。これを100%換算にすることで、著作権使用料徴収額が600億円になったときのNexTone全体の売上高を算出できます。
<長期目標達成時:NexTone全体の売上>
著作権管理業務のみの売上高:55.3億円(11.6%)
↓
全体売上高:476.87億円
次に、この計算した売上高から営業利益を計算します。下図をご覧ください。こちらは2021年8月に公表された「事業計画及び成長可能性に関する事項」にありました「経営指標」に関する資料です。
上図を見てみると、営業利益率は「目標:10%以上」とあります。それをもとに、売上高に10%を掛けて営業利益を出します。
<長期目標>
売上高:476.87億円
↓
営業利益:47.687億円(営業利益率:10%)
この営業利益に対して65%を掛けて、想定純利益を出します。この65%という数値は、当ブログの経験として、営業利益の60〜65%の企業が多いです。(参考として、マクアケは65%、ライトアップも65%でした。)
<長期目標>
営業利益:47.687億円
↓
純利益 :31億円(営業利益の65%)
では、次に将来のEPSを算出します。
将来のEPSを算出
では、将来のEPS(1株あたりの利益)を割り出すために、上述した純利益を発行済み株式数で割ります。下図をご覧ください。こちらは直近の決算短信にありました「発行済株式数」です。
見ていただいて分かるように、発行済み株式数:9,637,800株です。これで先ほど算出した純利益を割ります。そうすると、31億円÷9,637,800株=EPS:321.61円になります。
では、この算出しました将来EPSから目標株価を算出します。
PERごとの目標株価を算出
ここで、算出する基準となるPERを上述しましたが、おさらいしておきます。
<PER数値の基準:当ブログの体感>
15倍:毎年安定した利益を生み出す成長率±0%の時に妥当な値
20倍:成長率+10%の時に割安な(=「ここまでは株価上がるだろう」という)値
40倍:成長率+20%の時に割安な(=「ここまでは株価上がるだろう」という)値
この値に対して、「なぜ割安と言えるのか?」ということについては、以前「成長率に対してのPERの目安」の記事で解説しました。こちらにはこれからする計算式についても触れてますので、ぜひご一読ください。
では、目標株価を算出していきます。PERの計算式は「PER=株価÷EPS」ですよね。ということは目標株価を算出するためには「目標株価=EPS×PER」をすればいいわけです。このPERの部分に、今回は15倍/20倍/40倍を当てはめて、目標株価を算出します。算出して結果が下記の通りです。
<PERごとの目標株価>※小数点以下切り捨て
・PER15倍:321.61円×15倍=4,824円
・PER20倍:321.61円×20倍=6,432円
・PER40倍:321.61円×40倍=12,864円
現在のNexTone(ネクストーン)の株価:2,633円です。上記のことから、長期目標にある「著作権使用料徴収額600億円」を達成時点の業績で考えると、現在の株価は割安であるといえます。
したがって、長期的な目線からに見れば、これから株価は上がっていくと考えられます。したがって、当ブログとしては長期ホールド予定です。
NexTone(ネクストーン)の目標株価(中期目線)
目標株価算出の基準設定
まず、どこを基準にするか決めます。下図をご覧ください。こちらは2022年度通期決算発表で公表された「中期業績計画」に関する資料です。
こちらの図を見ると、中期目線では「2025年度に売上高:15,080百万円、営業利益:2,020百万円」が目標として掲げられています。
このことから、今回の目標株価算出のための基準は、営業利益:2,020百万円を基準とします。
将来の利益を算出
将来の利益を出していきます。
当ブログの経験として、純利益は営業利益に対して60〜70%の企業が多いです。参考として、マクアケは65%、ライトアップも65%、ラクスは66%、プロジェクトカンパニーは70%でした。
なので、間をとって、営業利益に対して65%を掛けて、想定純利益を出します。
<2025年度>
営業利益:2,020百万円
↓
純利益 :1,313百万円(営業利益の65%)
では、次に将来のEPSを算出します。
将来のEPSを算出
では、将来のEPS(1株あたりの利益)を割り出すために、上述した純利益を発行済み株式数で割ります。下図をご覧ください。こちらは直近の決算短信にありました「発行済株式数」です。
見ていただいて分かるように、発行済み株式数:9,766,200株です。これで先ほど算出した純利益を割ります。そうすると、1,313百万円÷9,766,200株=EPS:134.44円になります。
では、この算出しました将来EPSから目標株価を算出します。
PERごとの目標株価を算出
ここで、算出する基準となるPERを上述しましたが、おさらいしておきます。
<PER数値の基準:当ブログの体感>
15倍:毎年安定した利益を生み出す成長率±0%の時に妥当な値
20倍:成長率+10%の時に割安な(=「ここまでは株価上がるだろう」という)値
40倍:成長率+20%の時に割安な(=「ここまでは株価上がるだろう」という)値
この値に対して、「なぜ割安と言えるのか?」ということについては、以前「成長率に対してのPERの目安」の記事で解説しました。こちらにはこれからする計算式についても触れてますので、ぜひご一読ください。
では、目標株価を算出していきます。PERの計算式は「PER=株価÷EPS」ですよね。ということは目標株価を算出するためには「目標株価=EPS×PER」をすればいいわけです。このPERの部分に、今回は15倍/20倍/40倍を当てはめて、目標株価を算出します。算出して結果が下記の通りです。
<PERごとの目標株価>※小数点以下切り捨て
・PER15倍:134.44円×15倍=2,061円
・PER20倍:134.44円×20倍=2,688円
・PER40倍:134.44円×40倍=5,377円
現在のNexTone(ネクストーン)の株価:2,633円です。上記のことから、中期目標にある「2025年度に営業利益:2,020百万円」を達成時点で成長率+10%以上を維持できる力があるなら、現在の株価は割安であるといえます。
当ブログとしては、「長期的には、シェア:50%になるまでは成長していく」と考えられるので、PER20倍以上の水準になると予測しています。
では、下の留意事項もお読みください。
留意事項
ただ、ここで留意していただきたいのは、以前の「成長率に対してのPERの目安」の記事でも説明しましたが、これはあくまで長期に渡り、成長率が維持される想定でのPER基準です。そして、このPERはあくまで当ブログの体感です。
さらに、今後NexToneの株式数が変わったりすれば、この計算も変わります。
また、この先に市場規模自体が小さくなり、徴収額600億円が厳しくなってくることもあり得ます。逆も然りで、市場規模が大きくなれば、その分さらに成長余地は大きくなるので、徴収額も増え目標株価が上がることもあり得ます。したがって、今後は市場規模の推移・JASRACも併せて監視するべきです。
そして、市場について追記ですが、この市場はほぼ成熟しきっていると言えます。著作権管理市場の規模の推移は、ほぼ横ばいです。そのため、市場成長による企業成長の後押しのようなものはなく、シェアの取り合いと考えた方が良いでしょう。なので、長期目標の「シェア:50%」付近になったら、他の事業が大きくならない限り、その先はほぼ成長はないでしょう。ただ、寡占化されている分、安定した収益を得られるはずです。そのため、株価はPER15倍に落ち着くかもしれませんね。
ただ、現在DD業務が好調なので、今後もさらに収益を伸ばせる可能性があるなら、+10%成長も維持できるかもしれません。DD業務のように、著作権管理業務とは別の形で、使用料がもらえる事業が増えれば、今後も成長していくことでしょう。そういう事業が生まれたときは、さらなる成長の兆しとなり得ます。
今回の算出しました目標株価は、あくまで皆さんの今後の投資計画の参考程度としていただいた方が良いです。
下の留意事項もお読みください。
まとめ
以下、今回の記事のまとめです。
<長期目標>
・「事業計画及び成長可能性に関する事項」より、
著作権使用料徴収額:600億円
著作権管理業務のみ売上高:55.3億円
全体売上高:476.87億円
営業利益:47.687億円(営業利益率:10%)
純利益 :31億円(営業利益の65%)
EPS :321.61円
<長期の目標株価>※小数点以下切り捨て
・PER15倍:321.61円×15倍=4,824円
・PER20倍:321.61円×20倍=6,432円
・PER40倍:321.61円×40倍=12,864円
<中期目標>
・「中期業績計画」より、
2025年度に営業利益:2,020百万円
純利益 :1,313百万円(営業利益の65%)
EPS :134.44円
<長期の目標株価>※小数点以下切り捨て
・PER15倍:134.44円×15倍=2,061円
・PER20倍:134.44円×20倍=2,688円
・PER40倍:134.44円×40倍=5,377円
みなさんは、どうお考えですか?
さいごに
今回は、成長可能性からNexTone(ネクストーン)の目標株価を算出し、将来どこまで株価が上がるのか、ここは買いのタイミングなのか確認しました。
当ブログとしては期待している銘柄の一つです。目標株価から見てもやはり「株価上昇の余地あり」で安心しました。「長期目標」とありますが、目標達成までにどれくらいかかるかが気になりますね。あとは、市場規模の推移です。市場次第で今回算出しました目標株価は上下することでしょう。そちらも併せて監視していきます。何か市場が動いたら、またブログでアウトプットしますね。
いかがでしたか?参考になりましたか?
それとも、「ここはどうかな」と違う意見ですか?
今回の当ブログの考えと違う方がいらっしゃったり、参考になった方がいらっしゃれば、ご意見・コメントいただけると嬉しいです!
株式投資に絶対はありません。ぜひ皆さん、ご自身でも一度調べてみてください!
投資はあくまでも自己責任に基づき、自身でご判断願います。
他の銘柄の目標株価を読みたい場合は、下の記事でまとめています。
現在、ブログを更新中です!
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ときどき、サラリーマンの方向けにタメになるような情報もアップできれば、と考えています。
ぜひ、他の記事もご覧ください!
当ブログでは、注目銘柄の決算分析をしています。気になる方は、下の記事をご覧ください。
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ここまで読んでくださり、ありがとうございます。
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これからも、どうぞよろしくお願いいたします!
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