2022.09.23更新
どうもこんにちは、平凡サラリーマン投資家のヒラです。
あなたは、デジアーツという銘柄はご存知ですか?
ネットセキュリティ専業の企業です。インターネットアクセスに伴う危険を未然に防止する「Webフィルタリング」および「電子メールフィルタリング」を中心とする情報セキュリティ事業を、企業・公共(官公庁・学校)・家庭向け市場に対して展開をしています。
最近の社会では、特定の企業や組織を狙ったサイバー攻撃が増えており、先日のロシア侵攻でもサイバー攻撃が行われ、いまネットセキュリティ関連の銘柄には注目が集まっています。
当ブログとして注目した点は、ネットセキュリティ関連銘柄という点でもありますが、それ以上に営業利益率の高さで注目しています。なんと営業利益率が驚異の40%超えです。これは全銘柄で見てもトップクラスの水準です。
しかし、そんなデジアーツですが、今の株価は上場来高値から見たら、大きく下がってしまっています。
ここで気になるのは、「これからまた高値まで株価は戻すのか?それとも、いまが適正価格で、もう株価は上がらないのか?」ということです。まだ値上がり余地が大きいなら、今のうちに買っておくのはアリかもしれません。
そこで今回は、いま注目が集まっているネットセキュリティ関連銘柄であるデジアーツの目標株価を算出し、買い時か判断するために、これから株価はいくら上がるのか、それとも今の株価は適正なのか、はたまた下がるのか確認していきます。
この記事は下記のような方にオススメです。
- デジアーツの目標株価を知りたい
- デジアーツの株価がこれから上がるのか、下がるのか知りたい
- デジアーツについての情報を得たい
では、早速行ってみましょう!
デジアーツの株価の値動き
まず、最近の株価の値動きについて確認しておきましょう。
下の株価チャートをご覧ください。こちらは直近1年間のデジアーツの日足チャートです。
見ての通り、株価は11月に高値をつけてから、急降下しています。これは相場悪化が主な原因で、株価下落は止まりませんでした。その相場悪化の原因は下記の通りです。
<相場悪化の原因>
・日本での金融所得課税増税が話題に
ー 株式投資離れ、今のうちに手仕舞いする投資家の増加
・米国でのテーパリング早期化
ー 利上げ早期化
ー 米国長期金利上昇
→ 株式のリターンに対して相対的評価低下
・ウクライナの地政学的リスク
ー ロシアからヨーロッパへの原油・天然ガスの経由地であるウクライナで、戦争勃発
ー ロシアからのエネルギー供給減予測
→ 世界エネルギー価格高騰
→ コロナ感染拡大と併せて、世界経済にダブルパンチ
・世界的なインフレ
ー インフレ抑制のための世界的な利上げ
→ リセッション(景気後退)懸念
上記の理由で、軒並み株安になってしまっています。もちろんグロース株であるデジアーツも、もれなく株価が下がってしまったというわけです。
その後、2月に底をつき、下旬には急に上がり始めました。これは下記の理由によって上がりました。
- 2月末:サイバーセキュリティ関連の注目集まる
上述しましたように、ロシアのウクライナ侵攻がキッカケで、ネットセキュリティへの関心が高まり、関連銘柄一通りが買われたために、デジアーツも株価が上がったのです。
その後は世界的な利上げや景気後退懸念から、株式相場は悪いままで、なかなか株価は戻さず低迷を続けています。
ここで気になるのは、
「ここからまた高値まで株価は戻すのか」
「もうここが適正価格なので、もう上がらないのか」
ですよね。
今後の中長期的にどれくらい株価が上がるかが分かれば、投資判断しやすくなります。そのために、目標株価を算出してみます。
その目標株価に対して、現在の株価が低くければ割安だから買いますし、逆に現在の株価が高いようなら割高だから買いを見送ります。これで、すごい高い目標株価が算出できたら、今は絶好の買い場かもしれません。
では、目標株価を算出していきましょう。
目標株価の算出方法
その前に目標株価の算出方法を説明します。下記の通りの手順です。
- 将来の利益を算出
- 将来のEPSを算出
- 将来PER:10倍/15倍/20倍/40倍の目標株価を算出
では、詳しく説明します。
まず、デジアーツが公表している決算資料から、将来の目標数値を参考に、将来的な利益(ポテンシャル)を割り出します。
当ブログとしては、株価は中長期的にはEPSの影響を大きく受けると感じています。そのため、将来のEPSを計算するために、将来的な利益をここで計算しておきます。
その後、現在の株式数で割り、将来のEPSを算出します。将来的には株式数が変わる可能性もありますが、そればかりは予測できないので、現状の株式数から変更がないことを前提に算出します。
そして、PER:10倍/15倍/20倍/40倍の時のそれぞれの株価を算出します。これは株価を決定づける要因として、成長率も影響すると感じています。EPSが成長していけば、株価も必然と上がっていくものです。
ただ、投資家というものは成長率を見込んで、将来的なEPSを計算します。その期待が株価に反映されているというわけです。だから、「そこまでPER高くなるの、割高すぎないか!?」というほど、PERも割高になるのです。
このPER数値と成長率に関しての基準は下記のような当ブログの体感数値になります。
コロナショック時のような金利低下時は、下記のような体感数値です。
- 15倍:毎年安定した利益を生み出す成長率±0%の時に妥当な値
- 20倍:成長率+10%の時に割安な(=「ここまでは株価上がるだろう」という)値
- 40倍:成長率+20%の時に割安な(=「ここまでは株価上がるだろう」という)値
現在のような金利上昇時は、下記のような体感数値です。
- 10倍:毎年安定した利益を生み出す成長率±0%の時に妥当な値
- 15倍:成長率+10%の時に割安な(=「ここまでは株価上がるだろう」という)値
- 20倍:成長率+20%の時に割安な(=「ここまでは株価上がるだろう」という)値
この値に対して、「なぜ割安と言えるのか?」ということについては、以前「成長率に対してのPERの目安」の記事で解説しました。こちらはグロース株投資のコツとも言えます。グロース株投資をしている方は、ぜひ一度読んで見てください。
では、算出していきます。
デジアーツの目標株価
目標株価算出の基準設定
まずは、目標株価を算出するときの基準とする中期経営計画を確認します。
下図をご覧ください。こちらはデジアーツの中期経営計画にありました「ファイナンシャルサマリー」です。
上図を見て分かるように、デジアーツは年平均+13%成長し、「2025年度に連結売上高:130億円、営業利益:57億円」を目指しています。営業利益率は44%目標と、高水準をキープするようです。
今回の記事では、この「2025年度に営業利益:57億円」のとき、こちらを基準として目標株価を算出していきます。
将来の利益を算出
将来的にどれくらい利益を創出できるポテンシャルがあるのか測ります。手順としては、下記の手順で算出します。
- 「営業利益に対しての純利益の割合」を割り出す
- 基準となる営業利益に1を掛けて、将来の純利益を算出
では、過去の実績から営業利益に対しての純利益の割合を確認します。
- 2022年度:営業利益4,126百万円、純利益2,900百万円(70.3%)
- 2021年度:営業利益2,977百万円、純利益2,059百万円(69.2%)
- 2020年度:営業利益2,328百万円、純利益1,590百万円(68.3%)
68〜70%程度ということが分かります。
当ブログの経験としても、純利益は営業利益に対して60〜70%の企業が多いです。参考として、マクアケは65%、ライトアップも65%、ラクスは66%、プロジェクトカンパニーは70%でした。
このことから、低めに見積もったとして、65%を採用します。
そうすると、基準となる「営業利益:57億円」のときの将来の純利益は、下記のようになります。
<2025年度>
・売上高:130億円
・営業利益:57億円
→純利益:37.05億円(営業利益に対しての純利益の割合:65%として)
では、つづいて将来のEPSを算出します。
将来のEPSを算出
では、将来のEPS(1株あたりの利益)を割り出すために、上述した純利益を発行済み株式数で割ります。下図をご覧ください。こちらは直近の決算短信にありました「発行済株式数」です。
図をみると、発行済み株式数は14,133,000株であることが分かります。
これで先ほど算出した純利益を割ります。そうすると、37.05億円÷14,133,000株=EPS:262.15円になります。
では、この算出しました将来EPSから目標株価を算出します。
PER・成長率ごとの目標株価を算出
ここで、算出する基準となるPERを上述しましたが、おさらいしておきます。
コロナショック時のような金利低下時は、下記のような体感数値です。
- 15倍:毎年安定した利益を生み出す成長率±0%の時に妥当な値
- 20倍:成長率+10%の時に割安な(=「ここまでは株価上がるだろう」という)値
- 40倍:成長率+20%の時に割安な(=「ここまでは株価上がるだろう」という)値
現在のような金利上昇時は、下記のような体感数値です。
- 10倍:毎年安定した利益を生み出す成長率±0%の時に妥当な値
- 15倍:成長率+10%の時に割安な(=「ここまでは株価上がるだろう」という)値
- 20倍:成長率+20%の時に割安な(=「ここまでは株価上がるだろう」という)値
この値に対して、「なぜ割安と言えるのか?」ということについては、以前「成長率に対してのPERの目安」の記事で解説しました。こちらにはこれからする計算式についても触れてますので、ぜひご一読ください。
では、目標株価を算出していきます。PERの計算式は「PER=株価÷EPS」ですよね。ということは目標株価を算出するためには「目標株価=EPS×PER」をすればいいわけです。このPERの部分に、今回は10倍/15倍/20倍/40倍を当てはめて、目標株価を算出します。算出して結果が下記の通りです。
<PER・成長率ごとの目標株価>※小数点以下切り捨て
=金利低下時=
・PER15倍=成長率±0%:262.15円×15倍=3,932円
・PER20倍=成長率+10%:262.15円×20倍=5,243円
・PER40倍=成長率+20%:262.15円×40倍=10,486円
=金利上昇時=
・PER10倍=成長率±0%:262.15円×10倍=2,621円
・PER15倍=成長率+10%:262.15円×15倍=3,932円
・PER20倍=成長率+20%:262.15円×20倍=5,243円
現在のデジアーツの株価:6,310円です。上記のことから、「2025年度に営業利益:57億円」のときに、成長率+10%以上を維持できる力があるなら、
- 金利低下時:5243-6310=-1067円程度の株価下落余地
- 金利上昇時:3923-6310=-2387円程度の株価下落余地
上記のことが見込めます。よって、今は金利上昇時なので株価は割高に見えますね。
ただ、デジアーツの業績は好調です。そして、長期ビジョンも掲げています。それに向けての成長を見込んで、買われているのかもしれませんね。だから、2025年度基準だと割高に見えてしまうのでしょう。
下の留意事項もお読みください。
留意事項
ただ、ここで留意していただきたいのは、以前の「成長率に対してのPERの目安」の記事でも説明しましたが、これはあくまで長期に渡り、成長率が維持される想定でのPER基準です。そして、このPERはあくまで当ブログの体感です。
さらに、今後デジアーツの株式数が変わったりすれば、この計算も変わります。なので、今後、株式数の推移には注目しておきましょう。
今回の算出しました目標株価は、あくまで皆さんの今後の投資計画の参考程度としていただいた方が良いです。今後、この目標株価算出に関わる数値が変わることがあれば、都度更新していきます。
まとめ
以下、今回の記事のまとめです。
<中期経営計画より:2025年度>
・売上高:130億円
・営業利益:57億円
→純利益:37.05億円(営業利益に対しての純利益の割合:65%として)
→EPS:262.15円
<PER・成長率ごとの目標株価>※小数点以下切り捨て
=金利低下時=
・PER15倍=成長率±0%:262.15円×15倍=3,932円
・PER20倍=成長率+10%:262.15円×20倍=5,243円
・PER40倍=成長率+20%:262.15円×40倍=10,486円
=金利上昇時=
・PER10倍=成長率±0%:262.15円×10倍=2,621円
・PER15倍=成長率+10%:262.15円×15倍=3,932円
・PER20倍=成長率+20%:262.15円×20倍=5,243円
今回の目標株価について、どう感じましたか?あなたの投資の参考になれば嬉しいです。
当ブログでは、デジアーツだけでなく、そのほかの注目銘柄の目標銘柄も算出しています。他の銘柄の目標株価を読みたい場合は、下の記事でまとめています。少しでも、投資の参考になれば嬉しいです。
さいごに
今回は、いま注目が集まっているネットセキュリティ関連銘柄であるデジアーツの目標株価を算出し、買い時か判断するために、これから株価はいくら上がるのか、それとも今の株価は適正なのか、はたまた下がるのか確認しました。
目標株価を算出してみて、「これは割高かな」と感じました。ただ、上述しましたように、他の投資家は今回基準とした2025年度よりも先を見越して買っているのかもしれません。
しかし、当ブログとしては自分が想定できる範囲内で割安感のあるもの投資したいと考えています。それは今後の自分の投資人生を考えたときに、再現性のある投資をしたいからです。自分で考え、自分の出した答えの答え合わせをして、どんどん精度を増していきたいです。なので、現在の株価でのこの銘柄の投資は控えようと感じました。
いかがでしたか?参考になりましたか?
それとも、「ここはどうかな」と違う意見ですか?
今回の当ブログの考えと違う方がいらっしゃったり、参考になった方がいらっしゃれば、ご意見・コメントいただけると嬉しいです!
株式投資に絶対はありません。ぜひ皆さん、ご自身でも一度調べてみてください!
投資はあくまでも自己責任に基づき、自身でご判断願います。
他の銘柄の目標株価を読みたい場合は、下の記事でまとめています。
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これからも、どうぞよろしくお願いいたします!
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