【利益大幅増加】PKSHA(パークシャ)の株価が下がった理由

決算分析
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最新の決算分析については、下の記事で解説しています。
 最新の決算分析を読みたい方は下からどうぞ。

どうもこんにちは、平凡サラリーマン投資家のヒラです。

あなたは、PKSHA(パークシャ)という銘柄はご存知ですか?

アルゴリズム(機械学習/深層学習・自然言語処理・画像認識)を用い、様々な業界のクライアントと繋がり、価値の向上を手助けする企業です。2012年に創業し、アルゴリズム領域の先行者というポジションを築いています。

そんなPKSHAですが、8/12の取引時間後に決算発表があり、通期業績予想の修正がされました。なんと利益が大幅増加になりました。営業利益は+50%増加です。しかし、その翌日には株価が大きく下がってしまいました。利益が大幅増加に修正されたのに、一体なぜでしょうか?

というわけで今回は、利益大幅増加に業績予想修正されたPKSHA(パークシャ)の決算を分析し、決算発表翌日に株価が下がってしまった理由を解説していきます。

この記事は、下記のような人におすすめです。

  • PKSHA(パークシャ)についての情報を共有したい
  • PKSHA(パークシャ)の株価の値動きについて知りたい
  • サラリーマン投資家で時間がないから、要点だけ知りたい

PKSHA(パークシャ)の前回決算分析については、以前の記事で解説しています。こちらの記事を読むと、業績などの推移が分かり、今回の記事がより分かりやすくなります。

では、早速行ってみましょう!

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PKSHA(パークシャ)の株価の値動き

まずは、最近のPKSHAの株価の値動きを確認しておきましょう。

下のチャートをご覧ください。こちらは直近1年間のPKSHA(パークシャ)の日足チャートです。

見ての通り、株価は大きく波打っていることが分かります。11月に株価は急騰し、その後チャートはダブルトップを形成したのちに、株価は下落を始め、2月から現在までは1,700〜2,400円のあいだを推移しています。

どういったことが理由で、このような株価の値動きになったのか説明します。

2021年11月〜2022年2月

11月中旬に決算発表と併せて、来期の大幅成長が期待され、株価が急騰しました。

しかし、その後グロース株の相場悪化したため、株価が下がり続けてしまいました。このグロース株相場の悪化の主な理由は下記のとおりです。

<相場悪化の原因>
・日本での金融所得課税増税が話題に
 ー 株式投資離れ、今のうちに手仕舞いする投資家の増加
・米国でのインフレ加速、テーパリング早期化
 ー 利上げ早期化
 ー 米国長期金利上昇
 → 株式のリターンに対して相対的評価低下
ウクライナの地政学的リスク
 ー ロシアからヨーロッパへの原油・天然ガスの経由地であるウクライナで、戦争勃発
 ー ロシアからのエネルギー供給減予測
 → 世界エネルギー価格高騰
 → コロナ感染拡大と併せて、世界経済にダブルパンチ

上記の理由で、軒並み株安になってしまいました。もちろんグロース株であるPKSHAも、もれなく株価は下がってしまったのです。

世界的な株安になり、下げに下げましたが、ようやくさすがに下がりすぎたか、買いが出始め、2月・3月に株価は底打ちしました。

2022年2月〜2022年8月

それでもなかなか株価は戻りきりません。これは、また相場が悪化してしまったのです。この理由は、下記の通りです。

<相場悪化の原因>
・インフレ率の上昇
 ー インフレを抑えるために米国で大幅利上げ
 ー 世界各国でもインフレ抑制のために利上げ
景気後退懸念も浮上
 ー 世界的なエネルギー・食料価格の上昇
 → 一般消費が縮小してきている

それでも少しずつインフレ率や景気後退懸念も緩和されてきて、グロース株に資金が戻り始めてきました。そんな中でのPKSHAの決算発表でした。

上述しましたように、決算発表と併せて、通期業績予想の修正がされました。利益が大幅増加となりました。しかし、決算発表翌日の株価は大幅下落。一体、なぜでしょうか?どこか悪い点があったのでしょうか?

では、直近の決算内容を確認しましょう。

PKSHA(パークシャ)の決算分析

決算のみどころ

当ブログでは、今後成長が期待できる銘柄の一つとしてもPKSHA(パークシャ)をみています。したがって、一番重要視したいのが「成長性」に関してです。

そのため、下記の項目に着目します。

  • 業績(売上や利益)
  • 投資(事業拡大)
  • ニュース(事業拡大、新規事業について)

もちろん、他のバランスシートやキャッシュ・フローも大切です。そこにも目を通しますが、この記事では時間がないサラリーマン投資家のために、重視するところを取り上げていきます。

業績推移

直近では、2022年9月期の第3四半期決算が発表されました。

短信では、売上や利益が累計で出されています。当ブログでは、四半期ごとの売上や利益を算出し、前年と比較しています。下の表をご覧ください。

四半期ごとに下記の項目を算出しています。

  • 売上、営業利益、純利益
  • 各対前年比(%)
  • 各累計計画対比進捗率(%)

上の表をもとに、ポイントを絞って解説します。

通期業績予想の修正

まず、業績予想修正の内容を確認しておきます。修正前と修正後の数字を確認しましょう。

  • 売上高:(前)12,000百万円 →(後)11,400百万円
  • 営業利益:(前)1,000百万円 →(後)1,500百万円
  • 経常利益:(前)940百万円 →(後)1,550百万円
  • 純利益:(前)260百万円 →(後)800百万円

上記のように、売上:微減、利益:大幅増加となりました。

主な理由としては、コロナ禍が続いたために、モビリティ事業の売上高が低迷しているために、売上高が微減となりました。それに対し、人件費・広告宣伝費などが計画を下回り、さらに費用抑制したために、営業利益以下は大きく増加しました。

上記の表には、こちらの数値を反映してあります。

進捗率

つぎに、進捗率を注目します。

進捗率は売上高/営業利益/経常利益/純利益の順に、75/81/85/95%です。このタイミングでの業績予想の修正なので、ほぼ修正値になると推測していますので、あまり参考になりません。

四半期ベースの売上高

次に注目するのは、四半期ベースの売上高です。

今四半期は、前四半期から大きく増加しました。2社買収による連結業績の結果が出ました。対前年比で、+49%と高い成長率が出てます。2社買収によるものですが、それでも高い成長率には好感が持てます。

続いて、セグメント別にも確認しておきましょう。

セグメント別

まず、今期からセグメント区分が変更しました。下図をご覧ください。こちらは前々回の決算説明資料にありました「事業セグメントの変更」です。

下記のように変更になりました。

<セグメント区分変更>
・従来のMobility&MaaS事業+従来のCloud Intelligence事業の研究開発関係
 →AI Research&Solution事業
・従来のCloud Intelligence事業のBEDOREやアシリレラなど
 →AI SaaS事業

では、今四半期のセグメント別の売上・利益も見ていきまず。下図をご覧ください。こちらは決算説明資料にありました「セグメント別3Q連結業績」です。

これまでメインセグメントだった、AI Research & Solution事業がコロナ禍影響による顧客の新規駐車場開設減の影響で、前年比で収益が減少しています。

しかし、その一方で、AI SaaS事業の売上高・利益は大幅上昇しました。これは連結化の影響が大きいです。新規顧客開拓が進み、着実に積み上がっているようです。

下図をご覧ください。こちらは決算説明資料にありました「2セグメントの収益構造」です。

見て分かるように、ストック売上高は65%程度であり、AI SaaS事業に至っては約90%がストック売上です。さらにAI SaaS事業は、EBITDAが50%以上もあり、利益率が高いことも分かります。以上のことより、今後はAI SaaS事業の成長に注目です。

では、成長基盤があるかKPIも確認しておきます。

KPI

さて、今後AI SaaS事業がメインセグメントとなると見込まれますので、それに関するKPIを確認しておきましょう。

顧客基盤

下図をご覧ください。こちらは決算説明資料にありました「AI SaaS事業の顧客数の推移」です。

見て分かるように、2,125社もの企業と取引があり、さらに綺麗に顧客は分散されています。さらに、顧客数も増加傾向にあることが分かります。

このことから、多くの顧客からのサービスに対しての信頼が高いことと、リスクが分散できていることが推測できます。これは好感が持てます。

ARR

下図をご覧ください。こちらは決算説明資料にありました「ARRの推移」です。

見ての通り、綺麗に右肩上がりですね。過去最高のARRで、対前年比で+23.7%と高い成長率で好感が持てます。

以上、KPIを見た限り、AI SaaS事業は、成長基盤があるように感じます。

では最後に、決算発表翌日に株価が下がってしまった理由を解説します。

決算発表翌日に株価が下落した理由

上述してきたことを踏まえ、決算発表翌日に株価下落した理由は、下記の通りです。

  • モビリティ事業の低迷
  • 長引くコロナ禍
  • 来期業績予想

以前もありましたが、現在のPKSHA(パークシャ)の主要事業の中にモビリティ事業があり、その顧客がコロナ禍影響により低迷しています。それにつられるような形で、PKSHA(パークシャ)の業績も引き下げられてしまっています。

最近も新型コロナの新規感染者数は多いままなので、まだコロナ禍が長引くことが予想されます。そうなると、次回決算発表での公表される来期業績予想はこれまでのような高い成長率でない可能性があります。

そうなると、PKSHAの成長性に期待しているグロース株投資家たちは、株を売り出すことになるでしょう。その前に、今のうちに株を手放しておく選択肢を取ったと推測しています。

よって、通期業績予想修正で利益は大幅増加したものの、決算発表の翌日に株価が下がってしまったのです。

まとめ

以下、今回の記事のまとめです。

<決算内容>
・通期業績予想の修正
 ー 売上高:微減、利益:大幅増加
・四半期ベースで前期比で高い売上成長率
・モビリティ事業が低迷
・AI SaaSのKPIも堅調

<決算発表翌日に株価下落した理由>
・コロナ禍が長期化
 →モビリティ事業の低迷続く
 →来期業績予想の数値が低くなる
 →グロース株投資家が手放す
 →その前に、株を手放しておく

でも、AI SaaS事業の成長は堅調ですし、利益率も良いので、今後の成長が楽しみな面もありますね!

あなたは、どうお考えですか?

さいごに

今回は、利益大幅増加に業績予想修正されたPKSHA(パークシャ)の決算を分析し、決算発表翌日に株価が下がってしまった理由を解説しました。

注目しているAI SaaS事業が堅調なので、これでコロナ禍が落ち着けば、AI Research & Solution事業もまた収益を戻し、全体の成長性は増していくのではないでしょうか。個人的には期待が高まっています。しかし、投資するにしても、コロナ禍が落ち着くのを見極めてからにしたいです。

いかがでしたか?参考になりましたか?
それとも、「ここはどうかな」と違う意見ですか?

今回の当ブログの考えと違う方がいらっしゃったり、参考になった方がいらっしゃれば、ご意見・コメントいただけると嬉しいです!

株式投資に絶対はありません。ぜひ皆さん、ご自身でも一度調べてみてください!
投資はあくまでも自己責任に基づき、自身でご判断願います。

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