どうもこんにちは、平凡サラリーマン投資家のヒラです。
みなさんは、QDレーザという銘柄はご存知ですか?
世界で唯一量産化に成功した量子ドットや、超高歪量子井戸などの独自技術を持っている企業です。最近注目されているテーマである半導体銘柄であり、投資家からの注目を集めています。
そんなQDレーザですが、最近は株価下落が続いています。この中での、11/12の取引時間後に決算発表がありました。これを機に、株価は上がり始められるでしょうか?そして、今後成長していくのでしょうか?
ということで今回は、株価下落中の半導体銘柄であるQDレーザの決算を分析し、中長期成長可能性を解説していきます。
→最新の決算分析については、下の記事で解説しています。
最新の決算分析を読みたい方は下からどうぞ。
この記事は、
・分析の仕方を知りたい
・QDレーザについての情報を共有したい
・意見交換したい
・分析についてアドバイスしたい
上記のような方におすすめです!
前回の決算については、以前記事で解説しています。下の記事を読むと、業績の推移が分かり、今回の記事が分かりやすくなります。
では、早速行ってみましょう!
株価チャートを確認
下のチャートをご覧ください。こちらはQDレーザの直近6ヶ月の日足チャートです。
7月から株価は下げ始めました。これは、コロナ感染拡大のためによる相場悪化と信用買残が多くなりすぎたためによる受給の悪化が原因です。その後、8月中旬以降に相場回復とともに株価も上がりましたが、また下がってきてしまいました。
さて、そんな中での決算でしたが、今回はどんな決算だったのでしょうか。株価上昇の起爆剤になるのでしょうか?
では、今回の決算内容を確認しましょう。
決算内容
決算のみどころ
当ブログでは、「成長できる銘柄かどうか」でQDレーザをみていきます。したがって、一番重要視したいのが「成長性」に関してです。そのため、下記の項目に着目します。
項目としては、
・損益(売上や利益)
・投資(事業拡大)
・ニュース(事業拡大、新規事業について)
について着目していきます。
もちろん、他のバランスシートやキャッシュ・フローも大切です。そこにも目を通しますが、この記事では重視するところを取り上げていきます。
損益
直近では、2022年3月期の第2四半期決算が発表されました。
短信では、売上や利益が累計で出されています。当ブログでは、四半期ごとの売上や利益を算出し、前年と比較しています。下の表をご覧ください。
四半期ごとに
・売上、営業利益、経常利益、純利益
・各対前年比(%)
・各累計計画対比進捗率(%)
を算出しています。
進捗率
まず、注目していただきたいのが、進捗率です。上の表と併せて、下図もご覧ください。こちらは決算資料にありました「四半期予想対比」です。
今期通期業績予想に対して、売上進捗率は43%です。前期の35%よりは上回るペースではありますが、通期で見ると少し物足りなく感じてしまいます。しかし、第2四半期予想と比べると上回っていますので、順調なペースと言って良いでしょう。
利益については、今後の設備・成長投資などで大きくなる可能性あるので、そこまで注目していませんが、今のところ予想よりは赤字が小さいですね。
対前年比
次に注目していただきたいのが、対前年比です。
売上高を見てみると、今四半期は前年と比べて、+50%と大きく売上が増加しています。これには好感が持てます。これはレーザデバイス事業で受注増加と、レーザアイウェア事業での金融機関向け販売により増加したためです。
セグメント別についても確認しておきましょう。
セグメント
では、セグメント別の四半期ごとの売上・利益も見ていきましょう。
下の表をご覧ください。
・セグメント別の四半期売上、四半期利益
・対前年比(%)
・セグメント比率(%)
上記のことを載せています。
メインセグメントはレーザデバイス事業です。精密加工用DFBレーザ、バイオ検査装置用小型可視レーザ、センサ用高出力レーザ及び開発受託の受注が増加したことで、売上高が前期比で大きく増加しています。
アイウェア事業の方は、金融機関向け販売により増加しました。今後成長期待しているのはこちらの事業です。販売が徐々にされてきています。今後も製品開発と販路拡大に期待しています。
と言っても、1Qの流れがそのまま続いただけで、これといってインパクトはありませんでした。とりあえず堅調といった印象です。
また、下図をご覧ください。こちらは、決算説明資料にありました「通信用量子ドットレーザの累計売上高」です。
注目されている、かつ、QDレーザのコア技術が使われるはずの量子ドットレーザ製品の売上がなかなか伸びていません。ストック型でもないので、一気にドカッと売上が発生することもあり得ますが、少し心配になりますね。一応、継続受注はあるようですし、下期に受注予定のものもあるので、気長に見守りましょう。
受注進捗状況
現時点で今期売上が立てられているのか、受注状況についても確認しておきます。下図をご覧ください。こちらは、決算説明資料にありました「受注進捗状況」です。
2Q時点で今期の60%分の売上高は確保できている受注状況ですね。前期の46%を上回るペースです。しかし、前期を上回るペースだからといって、下期に全く今期に売上がたつ製品を受注できなければ、通期予想は未達で終えてしまいます。ここがストック型の収益がない製造業銘柄の難しいところです。気が抜けませんね。
Retissa Display RDシリーズ
アイウェア事業では、Retissa Display RDシリーズを開発しています。
大量販売を狙ってか低コスト化を図っているようです。その目標原価は5万円以下です。
同じファブレスメーカーであるアップルとバルミューダの粗利率は40%前後です。(キーエンスは80%程度と少し特異的ですが。)そのことから販売価格もざっくりではありますが算出できそうです。粗利率40%ということは、原価は60%であるため、5万円の原価としたら販売価格は8.3万円くらいになるでしょう。
今後、量産化され、販売個数が公表されるようになったら、何かこれをもとに算出できるかもしれません。そのための備忘録として、念のため残しておきます。
他にも成長ポテンシャルや市場規模、各製品の売上高、QDレーザの強みなど、気になる部分はありましたので、ぜひ決算資料も読んでみてください。
では、最後に中長期成長の可能性について解説します。
中長期成長可能性
中長期的にみると、QDレーザは成長が期待できるポテンシャルを抱えています。ということは株価上昇も期待できると考えています。
下図をご覧ください。こちらは決算説明資料にありました「成長ポテンシャル」についての資料です。
見てみると、次のことが分かります。
・短中期的にはレーザアイウェア事業が伸びてくる
・中長期的にはレーザデバイス事業が伸びてくる
また、図からQDレーザの成長インパクトとして予想されるのが、
・22年度のレーザアイウェア商品の低コスト量産
・21〜23年度にかけて、現在日米欧9社と共同開発しているものが順次製品化
・25年度にレーザアイウェア商品が累計10万台販売
と、しばらくはレーザアイウェア事業がQDレーザを引っ張っていくことになりそうです。世界的に拡販されることに期待しています。ただ、このアイウェア商品については、株価に織り込み済みかもしれませんので、拡販されても株価への影響はそこまででしょう。
期待しているレーザデバイス事業の量子ドットレーザ分野ですが、まだ開発段階のものが多いような印象です。それが製品化された時が、ようやくQDレーザの本領発揮となり、成長も勢いづいてくるのだと予測しています。
したがって、QDレーザに対しては中長期的な投資がやはり向いていそうです。顕在化するまでには、まだしばらく時間がかかりそうです。そのため、短期的にはまだ株価も下がる可能性もあり得ます。
QDレーザは日本国内だけでなく、海外との共同開発や海外からの受注があります。それはつまり、世界的に技術力が評価されているということと言えます。「そういうグローバルに存在感のある企業は今後伸びてくるだろう」と感じています。
まとめ
以下、今回の記事のまとめです。
<決算内容>
・売上進捗率は四半期予測から見て、順調
・受注状況もよし
・対前期比で大きく成長
ー しかし、そこまでインパクトなし
<中長期的な成長可能性>
・短中期的にはレーザアイウェア事業が伸びてくる
・中長期的にはレーザデバイス事業が伸びてくる
ー 成長インパクトにはアイウェア商品の世界拡販/量子ドットレーザ分野の製品化が必要
→ しばらくは時間かかりそう
※世界的に技術力が評価されているので、長い目で期待したい
みなさんは、どうお考えですか?
さいごに
今回は、株価下落中の半導体銘柄であるQDレーザの決算を分析し、中長期成長可能性を解説しました。
当ブログとしては、注目している銘柄の一つです。量子ドットレーザ分野への期待もしていますが、ウェアラブルとしてのアイウェア製品の開発にも期待しています。将来はみんな、このアイウェアをかけていたら面白いですよね。世界から見ても高い技術力だと思うので、今後の成長を気長に見守りたいです。
QDレーザだけでなく、これからは世界進出も視野に入れている企業に投資していきたいとも考えています。やはり市場の大きさが違いますし、その分だけ成長余地があるということです。つまり、株価上昇余地も出てくるということですね。今後、色々な銘柄を発掘していきたいです。
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