【減収】エネチェンジの決算分析!それでも順調な理由を解説

決算分析
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どうもこんにちは、平凡サラリーマン投資家のヒラです。

あなたは、エネチェンジ(ENECHANGE)という銘柄はご存知ですか?

脱炭素社会を実現する「エネルギーテック」企業です。今、注目が集まっている再生可能エネルギー関連株の一つでもあります。

そんなエネチェンジですが、5/12の取引時間後に決算発表がありました。決算を見てみると、前期比で減収になってしまいました。しかし、順調に見えます。なぜ、そう感じたのでしょうか?

ということで今回は、前期比で減収したエネチェンジの決算を分析し、減収でも順調な理由について解説していきます。

この記事は、下記のような人におすすめです。

  • エネチェンジの決算分析を読みたい
  • エネチェンジの減収でも好調な理由を知りたい
  • サラリーマン投資家で時間がないから、要点だけ知りたい

では、早速行ってみましょう!

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エネチェンジの前四半期決算をおさらい

まず、前回の決算内容をおさらいしておきましょう。

  • 2023年度予想は売上高が大幅増
  • 四半期売上高は底打ち
  • ストック収益は堅調
  • プラットフォーム事業のLTV/CACは健全

上記のことで、決算発表の翌日には株価が上昇しました。

詳しいエネチェンジの前四半期の決算分析については、下の記事で解説しています。業績の推移やどういう事象でそんな業績になったのか、株価に影響した内容を知りたい方は、ぜひ読んでください。

エネチェンジの決算分析

決算のみどころ

当ブログでは、今後成長が期待できる銘柄の一つとしてもエネチェンジをみています。

したがって、一番重要視したいのが「成長性」に関してです。そのため、下記の項目に着目します。

  • 業績(売上や利益)
  • 投資(事業拡大)
  • ニュース(事業拡大、新規事業について)

もちろん、他のバランスシートやキャッシュ・フローも大切です。そこにも目を通しますが、この記事では時間がないサラリーマン投資家のために、重視するところを取り上げていきます。

業績推移

今回は、2023年12月期の第1四半期決算が発表されました。

短信では、売上や利益が累計で出されています。当ブログでは、四半期ごとの売上や利益を算出し、前年と比較しています。下の表をご覧ください。

四半期ごとに下記の項目を算出しています。

  • 売上、営業利益、経常利益、純利益
  • 各対前年比(%)
  • 各累計計画対比進捗率(%)

上の表をもとに、ポイントを絞って説明します。

進捗率

まず、注目していただきたいのが、進捗率です。

エネチェンジでは、今期も投資フェーズのため赤字継続する計画です。そのため、ここではグロース株で重視すべき売上高のみに着目します。

1Q時点で通期業績予想に対して、売上高の進捗率は20%と、進捗が悪いです。投資家の中には、「通期業績予想未達で終わるんじゃないか」と心配になる人もいるでしょう。

四半期売上高

次に注目していただきたのが、四半期ベースでの売上高です。

見てわかるように、前年同期比-4%と減収してしまいました。しかし、2022年度3Qに底打ち感があり、四半期ごとに増収してきてはいます。

それでもグロース株として、売上高の減少は不安になるところです。成長性は大丈夫なのでしょうか?

成長基盤を計るために、KPIについても確認しておきましょう。

KPI

ストック型収益

下図をご覧ください。こちらは今回の決算説明資料にありました「各事業の売上高・営業損益の推移」です。

  • 前期1Qのストック売上高:387百万円
  • 今期1Qのストック売上高:538百万円(前年同期比+39.0%

ストック売上高が、前期から+39%も増加しており、好感が持てます。ユーザーが増加したことと電気料金高騰により、プラットフォーム事業が牽引してくれました。データ事業は微成長で、いまいちですね。

主要KPI

下図をご覧ください。こちらは今回の決算説明資料にありました「各事業のKPI」です。

プラットフォーム事業は、電気料金上昇のためにARPUが前年同期比で減少しました。これはフロー型収益の減少のためです。ただ、前四半期からは大きく上昇しています。また、ユーザー数は家庭向け・法人向けどちらも順調に増えています。

データ事業は、ARPUが安定してきました。顧客数はEVSmartのサービス承継により、増えています。

EV充電事業は、とうとう目標のEV充電受注3,000台を達成しました。計画より1Q分早期達成です。さらに、計画以上に受注台数も増えており、「2027年度に30,000万台受注」の目標への早期達成にも期待が高まります。

LTVとCAC

SaaSビジネスにおいて、LTVとCACの関係は非常に重要になります。

「LTVとCACとはなんですか?」という方は、下の用語説明をお読みください。

  • LTV:顧客生涯価値=1ユーザーが契約開始から解約までにもたらす収益
  • CAC:顧客獲得コスト=1ユーザーを獲得するためにかかった広告費や営業費

上記がわかった上で、下図をご覧ください。こちらは今回の決算説明資料にありました「プラットフォーム事業の事業方針」についての資料です。

右側のグラフを見ていただきたいのですが、LTV/CACが6.4倍になっています。これは顧客獲得コストに対して、顧客が生み出す収益が6.4倍になるということです。つまり、コストに対し、6.4倍の収益が手に入るということです。

このLTV/CACは3倍以上が、SaaS企業での健全性の目安になっていますので、エネチェンジは健全であることが分かります。厳しい状況下でも、広告宣伝費のコントロールすることで維持しているようです。ただ、これ以上広告宣伝費も削れないでしょうから、もっとエネルギー業界が厳しくなると、3倍を切る可能性も出てきます。

では、最後に減収でも順調な理由について解説します。

エネチェンジが減収でも順調な理由

今回の決算を見ていると、グロース株なのに前年同期比で減収しているし、通期業績予想に対して進捗率も悪いので不安になってしまいます。

けど、当ブログとしては順調に見えています。下記の2点からそう感じています。

  1. 事業環境の回復
  2. 下期からEV充電事業の業績寄与

それぞれについて、説明します。

理由①:事業環境

事業環境はちょっとずつ良くなっています

プラットフォーム事業では、一部の新電力でユーザー獲得に積極的になっています。

また、EV充電事業に関しては、政府がEV充電器導入に対しての補助金が増額されています。さらに東京都では、マンション向けのEV充電設備導入補助を強化するなど、EV充電インフラに対する補助事業が強化されています。

上記のことは、エネチェンジの事業には追い風です。

理由②:EV充電事業

EV充電事業は、下期から本格的に業績寄与します。

2Qは1Qと同程度の売上高が見込まれますが、3Q4QはEV充電事業のハードウェア売上が発生します。となると、下記のような売上進捗が期待されます。

  • 1Q:20%
  • 2Q:20%(累計:40%)
  • 3Q:30%(累計:70%)
  • 4Q:30%(累計:100%)

20%分の売上高は、プラットフォーム事業とデータ事業で毎四半期創出できる(通期累計:80%分)と考えたら、EV充電事業で通期20%分の売上高が必要になりそうです。

通期業績予想:5,250百万円なので、20%分というと1,050百万円です。ということは1Qで525百万円の売上高が必要です。こうみると、意外とありうる数字だと感じています。

よって、減収ながらも順調に感じています。

まとめ

以下、今回の記事のまとめです。

<決算内容>
・進捗率はいまいち
・四半期売上高は底打ちから増加傾向
・ストック収益は堅調
・プラットフォーム事業のLTV/CACは健全

<減収ながらも順調な理由>
・事業環境の回復による売上増加に期待
・下半期からのEV充電事業が本格的に業績貢献に期待

いかがでしたか、あなたの投資の参考になりましたか?

「じゃあ、中長期的にどこまで株価は上がるのか、それとも結局株価は下がってしまうのか」気になる方は、ぜひ以前に当ブログが算出しましたエネチェンジの目標株価についてをお読みください。投資の参考になれば、嬉しいです。

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他の銘柄の最新決算分析は、下の記事でまとめています。ぜひ一度ご覧ください。

さいごに

今回は、前期比で減収したエネチェンジの決算を分析し、減収でも順調な理由について解説しました。

当ブログとしては、これからの成長に期待の持てる決算でした。上半期は我慢の時期で、下半期に期待です。上半期に大幅赤字の決算が出て、大きく株価が下がるようなら、チャンスかもしれません。「下半期黒字化による株価反発に期待して、投資しようかな」と考えています。

いかがでしたか?参考になりましたか?それとも、「ここはどうかな」と違う意見ですか?

今回の当ブログの考えと違う方がいらっしゃったり、参考になった方がいらっしゃれば、ご意見・コメントいただけると嬉しいです!

株式投資に絶対はありません。ぜひ皆さん、ご自身でも一度調べてみてください!投資はあくまでも自己責任に基づき、自身でご判断願います。

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