株価好調なスパイダープラス!赤字拡大でも高成長が期待できる理由

決算分析
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どうもこんにちは、平凡サラリーマン投資家のヒラです。

あなたは、スパイダープラスという銘柄はご存知ですか?

建設業界をDXする企業です。建設現場で役立つ施工管理SaaS「SPIDERPLUS」の開発・販売をしています。

そんなスパイダープラスですが、先日の決算発表では前期比で赤字拡大・売上高微増でした。しかし、それでも決算発表翌日に株価は大きく上がりました。これは成長性に期待できるからです。

しかし、前期比で売上高はそれほど大きく増加はしていませんでした。それなのに、成長性に期待できるのでしょうか?

ということで今回は、赤字拡大となった直近のスパイダープラスの決算を分析し、高成長が期待できる理由について解説していきます。

この記事は、下記のような人におすすめです。

  • スパイダープラスについての情報を共有したい
  • スパイダープラスの株価に与える影響を知りたい
  • サラリーマン投資家で時間がないから、要点だけ知りたい

では、早速行ってみましょう!

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スパイダープラスの株価の値動き

直近1年間

まずは、最近の値動きを確認しておきましょう。

下のチャートをご覧ください。こちらは、直近1年間のスパイダープラスの日足チャートです。

見ての通り、株価は昨年9月の高値から、今年6月までの約9ヶ月間ずっと下がり続けていました。一番低いときの株価は、昨年9月の高値から1/7程度の水準にまで下がってしまいました。

その後、7月に入ってからは株価を戻し始めて、ジワジワと株価を上げてきています。

どういったことが理由で、このような株価の値動きになったのか説明します。

2021年11月〜2022年6月中旬

11月上旬までは高値圏を維持していた株価ですが、中旬以降から株価がものすごい勢いで下がり始めました。これは、グロース株の相場悪化したためです。このグロース株相場の悪化の主な理由は下記のとおりです。

<相場悪化の原因>
・日本での金融所得課税増税が話題に
 ー 株式投資離れ、今のうちに手仕舞いする投資家の増加
・米国でのインフレ加速、テーパリング早期化
 ー 利上げ早期化
 ー 米国長期金利上昇
 → 株式のリターンに対して相対的評価低下
ウクライナの地政学的リスク
 ー ロシアからヨーロッパへの原油・天然ガスの経由地であるウクライナで、戦争勃発
 ー ロシアからのエネルギー供給減予測
 → 世界エネルギー価格高騰
 → コロナ感染拡大と併せて、世界経済にダブルパンチ

上記の理由で、軒並み株安になってしまっています。もちろんグロース株であるスパイダープラスも、もれなく株価は下がってしまったのです。

世界的な株安になり、下げに下げました。他のグロース株は、さすがに下がりすぎたのか買いが出始め、2月や3月に株価は底打ちしましたが、スパイダープラスは下がり続けていました。その後、また相場が悪化してしまい、さらに株価は下げてしまいました。この理由は、下記の通りです。

<相場悪化の原因>
・インフレ率の上昇
 ー インフレを抑えるために米国で大幅利上げ
 ー 世界各国でもインフレ抑制のために利上げ
景気後退懸念も浮上
 ー 世界的なエネルギー・食料価格の上昇
 → 一般消費が縮小してきている

それでも少しずつインフレ率や景気後退懸念も緩和されてきて、グロース株に資金が戻り始めてきました。そんな時に、6月下旬に大きく上げるタイミングはありました。

2022年6月下旬〜2022年8月

6月下旬にとうとう株価が底打ちし、一転して株価が上がり始めました。さらに出来高も多くなっていることが分かります。これは、チェンジとの自治体DXの協業が公表されたことがキッカケでした。

地域創生DXを期待されているハイグロース株の代表格であるチェンジとの協業は、投資家から今後の成長加速を期待されるものでした。ユーザー数も増えて、プラスの業績寄与が推測できます。

8/9の取引時間後に決算発表がありました。決算内容は、前期比で赤字拡大・売上高の伸びはイマイチだったものの、翌日の株価は大きく上がることになりました。一体、なぜでしょうか?

では、直近の決算内容を確認しましょう。

スパイダープラスの決算分析

決算のみどころ

当ブログでは、今後成長が期待できる銘柄の一つとしてスパイダープラスをみています。したがって、一番重要視したいのが「成長性」に関してです。

そのため、下記の項目に着目します。

  • 業績(売上や利益)
  • 投資(事業拡大)
  • ニュース(事業拡大、新規事業について)

もちろん、他のバランスシートやキャッシュ・フローも大切です。そこにも目を通しますが、この記事では時間がないサラリーマン投資家のために、重視するところを取り上げていきます。

業績推移

直近では、2022年12月期の第2四半期決算が発表されました。

短信では、売上や利益が累計で出されています。当ブログでは、四半期ごとの売上や利益を算出し、前年と比較しています。下の表をご覧ください。

四半期ごとに下記の項目を算出しています。

  • 売上、営業利益、純利益
  • 各対前年比(%)
  • 各累計計画対比進捗率(%)

スパイダープラスはまだ上場して間もないので、データも少ないですが、上の表をもとにポイントを絞ってできる限り説明していきます。

進捗率

まず、注目していただきたいのが、進捗率です。

スパイダープラスは、今期も投資フェーズのために最終は赤字になる見込みです。そのため、今回は利益に関しては一旦無視します。

売上高に着目すると、今期業績予想に対しての進捗率は、44%でした。前期は2Q時点で49%だったので、これは少し物足りなく感じてしまいます。しかし、これは前期はエンジニアリング事業の数値を含んでいるから、そう見えるだけかもしれません。

なので、ICT事業のみの売上高で前期と今期を比べてみましょう。下記は、前期のICT事業のみの売上高の四半期推移です。

  • 1Q:437百万円
  • 2Q:462百万円
  • 3Q:501百万円
  • 4Q:535百万円

これをもとに、前期の各四半期ごとの累計と通期業績実績に対しての進捗率も確認してみましょう。

  • 1Q:437百万円(進捗率:22.6%)
  • 2Q:899百万円(進捗率:46.5%)
  • 3Q:1,400百万円(進捗率:72.4%)
  • 4Q:1,935百万円(進捗率:100%)

以上のことから、前期は2Q時点で進捗率は46.5%でした。それに対し、今期は44%なのでやはり少し売上高進捗が悪いと見えます。

四半期ベースの売上高

次に、注目していただきたいのが、四半期ベースの売上高です。

過去最高の四半期売上高で好感が持てますね。ただ、前期比で+11%と、やはり物足りないですね。こちらも上述しましたように、前期のICT事業のみの数値と比較してみましょう。

  • 前期2Qの四半期売上高:462百万円
  • 今期2Qの四半期売上高:600百万円(+29.9%)

上記のことから、四半期売上高が+29.9%も増加したことが分かります。これは大幅増加で好感が持てます。とても高い成長率だといえます。

成長基盤は大丈夫なのか、KPIを確認しておきましょう。

KPI

スパイダープラスのKPI(重要指標)として確認しておくことは、主に下記の4点です。

  • ARR
  • ユーザー数
  • ARPU
  • 解約率

ARRとは、簡単にいうと「年間ストック型収益」です。年間にどれくらいのストック型の収益が見込めるかを表しています。SaaSサービスにおいて、とても大切な数字であり、「サービスがどれくらいのポテンシャルがあるのか、どれくらい成長しているのか」を確認するために見ます。

ユーザー数とARPUは「売上高の元」と言えます。ARPUとは、簡単にいうと「ユーザーひとり当たりの収益」です。なので、「ユーザー数×ARPU=売上高」という式が成り立ちます。つまり、ユーザー数やARPUが増加すれば、売上高が増加するということです。

そして解約率ですが、これは「前月に対して当月にどれくらいの割合のユーザーが減ったか」を見ます。ユーザー数維持や増加のためには、解約しない方がいいですよね。さらに言えば、「解約率が低いということは、サービスが良いから継続している」という見方もできます。

では、それぞれのKPIの推移を確認します。

ARR

ARRの四半期推移を確認します。

下図をご覧ください。こちらは、直近決算説明資料にありました「売上高・ARR」です。

図を見てわかるように、ARRは過去最高額になっており、前期比+28%と大きく増加しています。さらに四半期ごとに増加しており、ストック型ビジネスがうまくいっていることが分かります。これは好感が持てます。

ユーザー数とARPU

ユーザー数とARPUの四半期推移を確認します。

下図をご覧ください。こちらは、直近決算説明資料にありました「ID数・ARPU」です。

ユーザー数もARPUも増加していることが分かります。これがARR増加の要因となっているわけです。ユーザー数は前期比+24%、ARPUは前期比+4%です。ARPUを上昇させるのは難しいのですが、オプション拡販によりうまく上昇させているようです。これにも好感が持てます。

解約率

解約率の四半期推移を確認します。

下図をご覧ください。こちらは、直近決算説明資料にありました「解約率」です。

図を見てわかるように、ここ3四半期連続で解約率が低下しています。さらに、なんと解約率が1%未満と、とても低水準です。サービスの良さ・需要の高さを感じます。

では、上述してきたことを踏まえて高成長が期待できる理由を解説します。

高成長が期待できる理由

高成長が期待できる理由としては、下記の3点が挙げられます。

  • 解約率の低さ
  • 大手企業導入率
  • 中期経営計画

上述してきましたように、四半期売上高を見ると、前期比+30%前後の成長率があります。さらに、それを要因となる堅調なKPIの推移。特に、解約率は数あるSaaS企業のなかでもとても低水準です。サービスに対しての需要の高さを感じることができました。

また、業界大手企業の導入率の高さも魅力的です。下図をご覧ください。こちらは、決算説明資料にありました「建設業界のDXパートナー」です。

図の中の右側を見てわかるように、多くの業界大手企業が導入していることが分かります。この導入企業の約60%がまだ導入して2年以内のようです。そして、図の中央のグラフを見ていただきたいのですが、2年〜4年にかけてID数がグンと伸びていることが分かります。

そうです、この導入企業約60%の2年以降のID数の急増に期待しているのです。上述しましたように、ユーザー数が増加すれば、売上高も増加するはずです。したがって、今後の売上高の増加も期待してしまいます。

さらにスパイダープラスは、3月末に中期経営計画も公表していました。下図をご覧ください。こちらは事業計画及び成長可能性に関する事項にありました「中期経営計画概要」です。

スパイダープラスはARR成長率を重視しており、「早期ARR:100億円」を目指していることがわかります。これに向けて、年間平均成長率+30〜40%という高い成長率を指標にしています。

以前、当ブログでもこの中期経営計画をもとに、目標株価を算出しました。こちらの記事で解説しています。「現在の株価は割安なのか」「今は買い時かどうか」、投資の参考になれば嬉しいです。

まとめ

以下、今回の記事のまとめです。

<決算内容>
・進捗率が前期より少し悪い
・四半期売上高の伸びが高い
・KPI堅調

<高成長が期待できる理由>
・とても低い解約率
 →サービスの需要が高い
・導入企業数の約60%が2年未満
 →IDの急増に期待
・中期経営計画
 →年間ARR成長率+30〜40%と高い成長率

これは確かに、株価が上がってもおかしくはないですね。チェンジとの協業もありますし、今後が楽しみな銘柄です。

あなたは、どうお考えですか?

以前、当ブログではスパイダープラスの目標株価を算出しました。こちらの記事で解説しています。「現在の株価は割安なのか」「今は買い時かどうか」、投資の参考になれば嬉しいです。

さいごに

今回は、赤字拡大となった直近のスパイダープラスの決算を分析し、高成長が期待できる理由について解説しました。

進捗率が少し前期より悪いのが気になりましたが、それ以外はとても好感の持てる決算でした。需要の高さも感じられますし、着実にストック型収益を積み上げているのに好感が持てました。投資できるチャンスがあれば、積極的に買いたいと感じた銘柄です。

いかがでしたか?参考になりましたか?
それとも、「ここはどうかな」と違う意見ですか?

今回の当ブログの考えと違う方がいらっしゃったり、参考になった方がいらっしゃれば、ご意見・コメントいただけると嬉しいです!

株式投資に絶対はありません。ぜひ皆さん、ご自身でも一度調べてみてください!
投資はあくまでも自己責任に基づき、自身でご判断願います。

他の銘柄の最新決算分析を読みたい場合は、下の記事でまとめています。

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ここまで読んでくださり、ありがとうございます。
「投資を始めたい」「サラリーマンでも投資できるかな」「小型株始めたいな」という方の参考になれば幸いです!

これからも、どうぞよろしくお願いいたします!

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