【目標株価】アクリートの中期経営計画から、将来の株価を算出!

目標株価
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2022.08.20更新

どうもこんにちは、平凡サラリーマン投資家のヒラです。

あなたは、アクリートという銘柄はご存知ですか?

国内最大級のSMS配信プラットフォームを提供しています。国内法人や海外法人向けのシェアはここ数年上位をキープしています。もともとは、インディゴ株式会社のSMS Inter-Connect Service(SICS)部門を会社分割して設立しました。

そんなアクリートですが、先日に中期経営計画が公表され、その翌日には株価がストップ高になりました。

ここで気になるのは、「ストップ高になるほど株価大幅上昇したが、これから中長期的にまだ株価は上がるのか?それとも、株価が上がってしまい適正価格になり、もう株価は上がらないのか?」ということです。まだ値上がり余地が大きいなら、今のうちに買っておくのはアリかもしれません。

そこで今回は、中期経営計画が公表され、翌日に株価がストップ高になったアクリートの目標株価を算出し、買い時か判断するために、これから株価はいくら上がるのか、それとも今の株価は適正なのか、はたまた下がるのか確認していきます。

この記事は、
・アクリートの目標株価を知りたい
アクリートの株価がこれから上がるのか、下がるのか知りたい
アクリートについての情報を得たい
上記のような方におすすめです!

では、早速行ってみましょう!

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アクリートの株価の値動き

まず、最近の株価の値動きについて確認しておきましょう。

下の株価チャートをご覧ください。こちらは直近1年間のアクリートの日足チャートです。

見ての通り、株価は9月に高値をつけてからずっと下がり続けていることがわかります。1月の一番低い時の株価は、1/2以下にまで下がってしまいました。

特に、11月からはもみ合いになることなく、急速に株価が下がってしまいました。これは相場悪化が主な原因で、株価下落は止まりませんでした。その相場悪化の原因は下記の通りです。

<相場悪化の原因>
・日本での金融所得課税増税が話題に
 ー 株式投資離れ、今のうちに手仕舞いする投資家の増加
・米国でのテーパリング早期化
 ー 利上げ早期化
 ー 米国長期金利上昇
 → 株式のリターンに対して相対的評価低下
ウクライナの地政学的リスク
 ー ロシアからヨーロッパへの原油・天然ガスの経由地であるウクライナで、戦争勃発
 ー ロシアからのエネルギー供給減予測
 → 世界エネルギー価格高騰
 → コロナ感染拡大と併せて、世界経済にダブルパンチ
・世界的なインフレ
 ー インフレ抑制のための世界的な利上げ
 → リセッション(景気後退)懸念

上記の理由で、軒並み株安になってしまっています。もちろんグロース株であるアクリートも、もれなく株価は下がってしまったというわけです。

しかし、ようやく最近になって株価は底をつき、もみ合いになり、株価も徐々に戻し始めてきました。これは、「景気後退懸念・インフレ緩和から米国がこれ以上の積極的な利上げをしないのでは」という見込みから、株式市場に資金が戻ってきたのです。

そこにさらに上述しましたように、中期経営計画が公表され、その翌日には株価ストップ高になりました。

ここで気になるのは、
「ここからまた株価は戻すのか」
「もうここが適正価格なので、もう上がらないのか」

ですよね。

今後の中長期的にどれくらい株価が上がるかが分かれば、投資判断しやすくなります。そのために、目標株価を算出してみます。

その目標株価に対して、現在の株価が低くければ割安だから買いますし、逆に現在の株価が高いようなら割高だから買いを見送ります。これで、すごい高い目標株価が算出できたら、今は絶好の買い場かもしれません

では、目標株価を算出していきましょう。

目標株価の算出方法

その前に目標株価の算出方法を説明します。下記の通りの手順です。

  1. 将来の利益を算出
  2. 将来のEPSを算出
  3. 将来PER:10倍/15倍/20倍/40倍の目標株価を算出

では、詳しく説明します。

まず、アクリートが公表している決算資料から、将来の目標数値を参考に、将来的な利益(ポテンシャル)を割り出します。当ブログとしては、株価は中長期的にはEPSの影響を大きく受けると感じています。そのため、将来のEPSを計算するために、将来的な利益をここで計算しておきます。

その後、現在の株式数で割り、将来のEPSを算出します。将来的には株式数が変わる可能性もありますが、そればかりは予測できないので、現状の株式数から変更がないことを前提に算出します。

そして、PER:10倍/15倍/20倍/40倍の時のそれぞれの株価を算出します。これは株価を決定づける要因として、成長率も影響すると感じています。EPSが成長していけば、株価も必然と上がっていくものです。ただ、投資家というものは成長率を見込んで、将来的なEPSを計算します。その期待が株価に反映されているというわけです。だから、「そこまでPER高くなるの、割高すぎないか!?」というほど、PERも割高になるのです。

このPER数値と成長率に関しての基準は下記のような当ブログの体感数値になります。

コロナショック時のような金利低下時は、下記のような体感数値です。

  • 15倍:毎年安定した利益を生み出す成長率±0%の時に妥当な値
  • 20倍:成長率+10%の時に割安な(=「ここまでは株価上がるだろう」という)値
  • 40倍:成長率+20%の時に割安な(=「ここまでは株価上がるだろう」という)値

現在のような金利上昇時は、下記のような体感数値です。

  • 10倍:毎年安定した利益を生み出す成長率±0%の時に妥当な値
  • 15倍:成長率+10%の時に割安な(=「ここまでは株価上がるだろう」という)値
  • 20倍:成長率+20%の時に割安な(=「ここまでは株価上がるだろう」という)値

この値に対して、「なぜ割安と言えるのか?」ということについては、以前「成長率に対してのPERの目安」の記事で解説しました。こちらはグロース株投資のコツとも言えます。グロース株投資をしている方は、ぜひ一度読んで見てください。

では、算出していきます。

アクリートの目標株価

目標株価算出の基準設定

まずは、目標株価を算出するときの基準とする中期経営計画を確認します。

下図をご覧ください。こちらはアクリートが公表した中期経営計画にありました「中期経営指標」です。

上図を見て分かるように、アクリートは2025年度に向けて、下記のことを目指しています。

  • 売上高:17,000百万円
  • 営業利益:3,000百万円

今回の記事では、この「2025年度に営業利益:30億円」、こちらを基準として目標株価を算出していきます。

では、次に将来の利益を算出します。

将来の利益を算出

将来的にどれくらい利益を創出できるポテンシャルがあるのか測ります。

実績から営業利益に対しての純利益の割合を確認しておきます。そして、この割合を「営業利益:30億円」に掛けることで、将来の純利益を計算します。ここ数年の実績を確認します。

  • 2019年度:営業利益 254百万円/純利益 170百万円(66.9%)
  • 2020年度:営業利益 344百万円/純利益 241百万円(70.0%)
  • 2021年度:営業利益 465百万円/純利益 300百万円(64.5%)

上記のことから、過去3年間の営業利益に対しての純利益の割合は、64〜70%程度にあることがわかります。これは当ブログの体感としても妥当性があります。当ブログの経験として、営業利益に対して60〜70%の企業が多いです。参考として、マクアケは65%、ライトアップも65%、ラクスは66%、プロジェクトカンパニーは70%でした。

このことから、間をとって65%を採用します。

そうすると、2025年度の純利益ポテンシャルは

<2025年度の純利益ポテンシャル>
・売上高:17,000百万円
・営業利益:3,000百万円
 →純利益:1,950百万円(営業利益率に対して純利益が65%と想定)

では、つづいて将来のEPSを算出します。

将来のEPSを算出

では、将来のEPS(1株あたりの利益)を割り出すために、上述した純利益を発行済み株式数で割ります。下図をご覧ください。こちらは直近の決算短信にありました「発行済株式数」です。

図をみると、発行済み株式数は5,881,000株であることが分かります。

これで先ほど算出した純利益を割ります。そうすると、1,950百万円÷5,881,000株=EPS:331.57円になります。

では、この算出しました将来EPSから目標株価を算出します。

PER・成長率ごとの目標株価を算出

ここで、算出する基準となるPERを上述しましたが、おさらいしておきます。

コロナショック時のような金利低下時は、下記のような体感数値です。

  • 15倍:毎年安定した利益を生み出す成長率±0%の時に妥当な値
  • 20倍:成長率+10%の時に割安な(=「ここまでは株価上がるだろう」という)値
  • 40倍:成長率+20%の時に割安な(=「ここまでは株価上がるだろう」という)値

現在のような金利上昇時は、下記のような体感数値です。

  • 10倍:毎年安定した利益を生み出す成長率±0%の時に妥当な値
  • 15倍:成長率+10%の時に割安な(=「ここまでは株価上がるだろう」という)値
  • 20倍:成長率+20%の時に割安な(=「ここまでは株価上がるだろう」という)値

この値に対して、「なぜ割安と言えるのか?」ということについては、以前「成長率に対してのPERの目安」の記事で解説しました。こちらにはこれからする計算式についても触れてますので、ぜひご一読ください。

では、目標株価を算出していきます。PERの計算式は「PER=株価÷EPS」ですよね。ということは目標株価を算出するためには「目標株価=EPS×PER」をすればいいわけです。このPERの部分に、今回は10倍/15倍/20倍/40倍を当てはめて、目標株価を算出します。算出して結果が下記の通りです。

<PER・成長率ごとの目標株価>※小数点以下切り捨て
=金利低下時=
・PER15倍=成長率±0%:331.57円×15倍=4,973円
・PER20倍=成長率+10%:331.57円×20倍=6,631円
・PER40倍=成長率+20%:331.57円×40倍=13,263円
=金利上昇時=
・PER10倍=成長率±0%:331.57円×10倍=3,315円
・PER15倍=成長率+10%:331.57円×15倍=4,973円
・PER20倍=成長率+20%:331.57円×20倍=6,631円

現在のアクリートの株価:2,252円です。上記のことから、2025年度に営業利益:3,000百万円のときに成長率±0%以上を維持できる力があるなら、

  • 金利低下時:4973-2252=2,721円程度の株価上昇余地
  • 金利上昇時:3315-2252=1,063円程度の株価上昇余地

上記のことが見込めます。よって、株価は割安に見えますね。

しかし、中期経営計画にあったように、海外マーケットシェア拡大のためにM&Aを計画しています。そのため、資金調達する可能性があり、その手段として新株式発行することも考えられます。そうなると上述した計算で用いた株式数も変わってきます。株式数が増えればEPSは下がり、目標株価も下がってしまいますので、注意が必要です。

下の留意事項もお読みください。

留意事項

ただ、ここで留意していただきたいのは、以前の「成長率に対してのPERの目安」の記事でも説明しましたが、これはあくまで長期に渡り、成長率が維持される想定でのPER基準です。そして、このPERはあくまで当ブログの体感です。

さらに、上述しましたように、今後資金調達の理由などで新株発行がされ、アクリートの株式数が変わったりすれば、この計算も変わります。今後、株式数の推移には注目しておきましょう。中長期戦略では、M&Aの計画もあるようなので、要チェックです。

今回の算出しました目標株価は、あくまで皆さんの今後の投資計画の参考程度としていただいた方が良いです。今後、この目標株価算出に関わる数値が変わることがあれば、都度更新していきます。

まとめ

以下、今回の記事のまとめです。

<2025年度のポテンシャル>
・売上高:17,000百万円
・営業利益:3,000百万円
 →純利益:1,950百万円(営業利益率に対して純利益が65%と想定)
 →EPS:331.57円

<PER・成長率ごとの目標株価>※小数点以下切り捨て
=金利低下時=
・PER15倍=成長率±0%:331.57円×15倍=4,973円
・PER20倍=成長率+10%:331.57円×20倍=6,631円
・PER40倍=成長率+20%:331.57円×40倍=13,263円
=金利上昇時=
・PER10倍=成長率±0%:331.57円×10倍=3,315円
・PER15倍=成長率+10%:331.57円×15倍=4,973円
・PER20倍=成長率+20%:331.57円×20倍=6,631円

あなたは、どうお考えですか?

さいごに

今回は、中期経営計画が公表され、翌日に株価がストップ高になったアクリートの目標株価を算出し、買い時か判断するために、これから株価はいくら上がるのか、それとも今の株価は適正なのか、はたまた下がるのか確認しました。

目標株価を算出してみて、「これは割安感あるように見えるけど、少し怖いな」と感じました。今後資金調達として新株式発行の可能性もあり、どれくらいの株式数になるかも予測できないからです。また、投資するにもアクリートの事業の優位性や独自性などを、詳しく分析してから投資したいです。

いかがでしたか?参考になりましたか?
それとも、「ここはどうかな」と違う意見ですか?

今回の当ブログの考えと違う方がいらっしゃったり、参考になった方がいらっしゃれば、ご意見・コメントいただけると嬉しいです!

株式投資に絶対はありません。ぜひ皆さん、ご自身でも一度調べてみてください!
投資はあくまでも自己責任に基づき、自身でご判断願います。

他の銘柄の目標株価を読みたい場合は、下の記事でまとめています。

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これからも、どうぞよろしくお願いいたします!

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