【利益大幅増】HENNGE(ヘンゲ)の決算!株価に与える影響は?

決算分析
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どうもこんにちは、平凡サラリーマン投資家のヒラです。

あなたは、HENNGE(ヘンゲ)という銘柄はご存知ですか?

SaaS認証基盤を提供している会社です。つまり、クラウド型セキュリティ事業と言え、日本におけるIDaaSの先駆けです。今、社会的な流れとも言えるDX化ですが、そのDX関連株の代表的な銘柄の一つです。

そんなHENNGEですが、8/10の取引時間後に決算発表がありました。決算短信を見ると、前年比で利益が倍増に!これは株価に与える影響は大きいかもしれません。

ということで今回は、前年比で利益倍増になったHENNGE(ヘンゲ)の決算発表を分析し、株価に与える影響を確認していきます。

この記事は、下記のような人におすすめです。

  • HENNGE(ヘンゲ)についての情報を共有したい
  • HENNGE(ヘンゲ)の株価に与える影響を知りたい
  • サラリーマン投資家で時間がないから、要点だけ知りたい

前回の決算については、以前ブログにて紹介しました。こちらの記事を読むと、業績の推移が分かりやすく、今回の記事が理解しやすくなります。

では、早速行ってみましょう!

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HENNGE(ヘンゲ)の株価の値動き

直近1年間

まずは、最近の株価の値動きを確認しておきましょう。

下のチャートをご覧ください。こちらは直近1年間のHENNGE(ヘンゲ)の日足チャートです。

9月まで上がり続けていた株価ですが、11月中旬に一度大きく下がりました。そして、そのまま株価は下がり続け、高値から1/6程度の水準になってしまいました。その後、少し戻しましたものの、低迷したままです。

どういった流れでここまで下がったのか説明します。

2021年11月〜2022年3月

11月中旬から3月中旬まで、ほぼノンストップで株価がずっと下がり続けていたことがわかります。これは前々回の決算グロース株の相場悪化したためです。このグロース株相場の悪化の主な理由は下記のとおりです。

<相場悪化の原因>
・日本での金融所得課税増税が話題に
 ー 株式投資離れ、今のうちに手仕舞いする投資家の増加
・米国でのインフレ加速、テーパリング早期化
 ー 利上げ早期化
 ー 米国長期金利上昇
 → 株式のリターンに対して相対的評価低下
ウクライナの地政学的リスク
 ー ロシアからヨーロッパへの原油・天然ガスの経由地であるウクライナで、戦争勃発
 ー ロシアからのエネルギー供給減予測
 → 世界エネルギー価格高騰
 → コロナ感染拡大と併せて、世界経済にダブルパンチ

上記の理由で、軒並み株安になってしまっています。もちろんグロース株であるHENNGEも、もれなく株価は下がってしまったのです。

世界的な株安になり、下げに下げましたが、ようやくさすがに下がりすぎたか、買いが出始め、3月に株価は底打ちしました。

2022年4月〜2022年8月

その後、割安感から買われ株価を少し戻しましたが、やはりすんなりと株価は上がっていきません。また相場が悪化してしまったのです。この理由は、下記の通りです。

<相場悪化の原因>
・インフレ率の上昇
 ー インフレを抑えるために米国で大幅利上げ
 ー 世界各国でもインフレ抑制のために利上げ
景気後退懸念も浮上
 ー 世界的なエネルギー・食料価格の上昇
 → 一般消費が縮小してきている

しかし、それでも少しずつインフレ率や景気後退懸念も緩和されてきて、グロース株に資金が戻り始めてきました。そんな中でのHENNGEの決算発表でした。

決算を見ると、前年比で利益が倍増しています。「これは株価上昇するかも」と期待してしまいますが、落ち着いて分析して、株価に与える影響を見てみます。

では、今回の決算内容を確認しましょう。

HENNGE(ヘンゲ)の決算内容

決算のみどころ

当ブログでは、今後成長が期待できる銘柄の一つとしてもHENNGE(ヘンゲ)をみています。したがって、一番重要視したいのが「成長性」に関してです。そのため、下記の項目に着目します。

  • 業績(売上や利益)
  • 投資(事業拡大)
  • ニュース(事業拡大、新規事業について)

もちろん、他のバランスシートやキャッシュ・フローも大切です。そこにも目を通しますが、この記事では時間がないサラリーマン投資家のために、重視するところを取り上げていきます。

業績推移

今回は、2022年9月期の第3四半期決算が発表されました。

短信では、売上や利益が累計で出されています。当ブログでは、四半期ごとの売上や利益を算出し、前年と比較しています。下の表をご覧ください。

四半期ごとに下記の項目を算出しています。

  • 売上、営業利益、経常利益、純利益
  • 各対前年比(%)
  • 各累計計画対比進捗率(%)

上の表をもとに、ポイントを絞って解説していきます。

進捗率

まず、注目すべきは進捗率です。

売上高/営業利益/経常利益/純利益の順に、72/110/108/114%と、3Q時点でこの数値だと売上高は例年通り、利益は業績予想超過です。これは好感が持てますね。

さらに利益はすでに通期業績予想を超えたので、上方修正に期待しましたが、4Qで積極的なマーケティング活動を行う予定であるために、最終的には通期連結業績予想あたりに落ち着くようです。

四半期ごとの売上高

次に注目していただきたいのが、四半期ごとの売上高です。

今四半期は、過去最高の四半期売上高でした。メインサービスのHENNGE Oneは全体の約90%を占め、その中でストック比率は97%程度もあります。そのため、投資家からは、着実に毎四半期売上高を積み上げていくことに期待されています。この数字を見て、安心しました。

売上総利益率

さいごに注目していただきたいのが、上の表には載っていませんが売上総利益率です。

代わりに下図をご覧ください。こちらは決算説明資料にありました「売上総利益の推移」です。

見ていただいてわかるように、右肩上がりに四半期ごとに売上総利益が増加しています。そして、売上総利益率は約85%と高水準です。この水準は、当ブログの体感だと営業利益率:25%以上になるのポテンシャルがあります。

将来が楽しみになりますね。

メインサービス

メインサービスであるHENNGE ONEの四半期ごとの売上も見ていきましょう。

下の表には下記の項目を載せています。

  • HENNGE ONEの四半期売上
  • 対前年比(%)
  • 売上比率(%)
  • HENNGE ONEのKPI(ARR/契約数/解約率)

メインサービスであるHENNGE ONEサービスの売上は増加し過去最高の四半期売上高です。ただ、前年比で+19%と、前期に比べて少し前年対比の水準は下がってしまいましたね。

KPIであるARR/契約企業数/契約ユーザー数は、最高値です。これについても好感が持てますが、こちらも前年に比べて増加数が落ち着いてきた印象がありますね。

これは、課題である新規顧客獲得がまだ解決できていないためです。これから成長速度増すためには、この課題解決が必要ですね。

解約率が0.23%です。まだ1%未満なので、とても低い水準ではありますが、少しずつ上がってきているように見えますね。

成長基盤を計るために、もう少し詳しくKPIについても確認しておきましょう。

KPI

重要指標

KPIは、メインサービスであるHENNGE ONEの下記の項目に着目します。

  • 解約率
  • ARR(年間経常収益)

ARR = N(契約社数) × n(平均ユーザー) × ARPU(ユーザーあたり単価)

<HENNGEの成長戦略>
・短期的には契約社数の増加
・中長期ではARPU(ユーザー当たりの年間経常収益)の上昇に注力
 →2021年9月期に変曲点を作り、2022年9月期以降でARPU成長率上昇を目指す

上記達成のためには、ユーザー数が多いこと、解約率が低いことが必要になってきます。
上述した「サービス別」で挙げたユーザー数と解約率について確認しましょう。

ユーザー数と解約率


下図をご覧ください。こちらは今回の決算説明資料にありました「平均月次解約率の推移」「契約企業数と契約ユーザー数の推移」です。

解約率が、前回に比べて上がっています。上述しましたように、まだ1%未満で、0.23%という数値自体は、非常に低いです。ストック型の収益モデルなので、解約率が低い=契約が続くことが収益の拡大につながるので、この数値は非常に重要です。3四半期連続で解約率が低下しているので、安心しますね。

契約企業数/契約ユーザー数は堅調に増加しています。ただ、短期的な成長戦略としては、新規獲得が課題です。方針である「ARR成長率:+20%以上」を果たすための鍵になります。

ARR

では、一番重要指標であるARRについて確認しておきましょう。下図をご覧ください。こちらは決算説明資料にありました「ARRとARPUの推移」です。

見ての通り、ARRは過去最高額です。着実に、ARRを伸ばしています。中期的に注力するARPUも堅調に上がっています。

しかし、今期のARR成長率は方針で掲げている+20%を下回ってしまいそうです。これには嫌気しますね。

では、さいごに前年比利益倍増が株価に与える影響を説明します。

利益倍増が株価に与える影響

前年比利益倍増が株価に与える影響を説明します。

これの影響は軽微です。

というのも、上述しましたように、上方修正はされず、4Qに積極的なマーケティングをするために、最終的には通期業績予想通りに落ち着くためです。上方修正を少し期待しましたが、残念です。

それよりも気になるは、今期の方針と掲げていた進捗があまり良くないことです。下図をご覧ください。こちらは決算説明資料から引用しました「今期の方針に対する進捗」です。

メインサービスであるHENNGE OneのARR年間成長率は+20%に未達になる可能性があります。さらに、新規顧客獲得のために必要な人員が気色方針よりも確保できない見込みです。

これでは、来期の成長率も心配にありますし、その先にある成長目標である「2025年度にHENNGE One ARR:100億円以上」の達成未達懸念も出てきます。

この今期方針に対して未達懸念の方が株価に与える影響はありそうです。

ただ、昨夜の米国CPIで、インフレ率の落ち着きから「積極的な利上げはない」という見込みから、米国ではグロース株に資金が入ってきているので、日本国内グロース株にも資金が入ってきそうです。その影響が主になり、今回の決算の影響は薄れそうですね。

まとめ

以下、今回の記事のまとめです。

<決算内容>
・順調な売上進捗率、通期業績予想を超過した利益関係
・前年比で利益倍増
・四半期売上高は過去最高額
・KPI:契約企業数/ユーザー数/ARRは増加、解約率も改善

<利益倍増が株価に与える影響>
・軽微
 ー 4Qに積極的なマーケティングするので、通期業績予想に落ち着く
 → 上方修正もなし

あなたは、どうお考えですか?

2025年度に向けての成長目標が達成できるか、心配になってきましたね。上述してきたように、HENNGE OneのARR成長率はまだ+20%弱の水準です。これからどうやって、年平均+20%中盤台に乗せてくるのか注目です。

※ちなみに、この数値の時の目標株価については、下の記事で解説しています。これも底堅さの理由の一つになりますね。

さいごに

今回は、前年比で利益倍増になったHENNGE(ヘンゲ)の決算発表を分析し、株価に与える影響を確認しました。

毎回決算を見ていても、なかなか堅実だと感じています。ただ、まだ成長目標の指標となる「ARR年平均成長率+20%中盤台」になっていません。ここの水準に乗ってこないと、まだ2025年度の成長目標も信じきれませんね。とりあえず、人員確保からの新規顧客獲得に期待です。

いかがでしたか?参考になりましたか?
それとも、「ここはどうかな」と違う意見ですか?

今回の当ブログの考えと違う方がいらっしゃったり、参考になった方がいらっしゃれば、ご意見・コメントいただけると嬉しいです!

株式投資に絶対はありません。ぜひ皆さん、ご自身でも一度調べてみてください!
投資はあくまでも自己責任に基づき、自身でご判断願います。

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