【目標株価】ハイグロース株のJTOWER、まだ株価は上がるのか?

目標株価
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2022.09.11更新

どうもこんにちは、平凡サラリーマン投資家のヒラです。

あなたは、JTOWERという銘柄はご存知ですか?

通信網におけるインフラシェアリング事業を提供しており、国内ではリーディングカンパニーです。例えば、現在社会では欠かせないスマホ、JTOWERならその携帯キャリア各社の通信設備を一本化できます。社会的な5G導入の流れを受けて、注目も集まっている銘柄です。

また、上記のことを受けて、業績も好調です。なんと、2017〜2022年度までのあいだは売上成長率年平均+51%という、驚異的な水準で成長しています。ただ、株価は少し戻したものの、昨年からの相場悪化により、高値からは大きく下がってしまっています。

ここで気になるのは、「これから中長期的にまだ株価は上がるのか?それとも、いまが適正価格で、もう株価は上がらないのか?」ということです。まだ値上がり余地が大きいなら、今のうちに買っておくのはアリかもしれません。

そこで今回は、ハイグロース株であるJTOWERの目標株価を算出し、買い時か判断するために、これから株価はいくら上がるのか、それとも今の株価は適正なのか、はたまた下がるのか確認していきます。

この記事は下記のような方にオススメです。

  • JTOWERの目標株価を知りたい
  • JTOWERの株価がこれから上がるのか、下がるのか知りたい
  • JTOWERについての情報を得たい

では、早速行ってみましょう!

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JTOWERの株価の値動き

まず、最近の株価の値動きについて確認しておきましょう。

下の株価チャートをご覧ください。こちらは直近1年間のJTOWERの日足チャートです。

見ての通り、株価は昨年11月に高値をつけてから、2月までずっと下がり続けていたことがわかります。2月の一番低い時の株価は、高値から1/4程度にまで下がってしまいました。

これは相場悪化が主な原因で、株価下落は止まりませんでした。その相場悪化の原因は下記の通りです。

<相場悪化の原因>
・日本での金融所得課税増税が話題に
 ー 株式投資離れ、今のうちに手仕舞いする投資家の増加
・米国でのテーパリング早期化
 ー 利上げ早期化
 ー 米国長期金利上昇
 → 株式のリターンに対して相対的評価低下
ウクライナの地政学的リスク
 ー ロシアからヨーロッパへの原油・天然ガスの経由地であるウクライナで、戦争勃発
 ー ロシアからのエネルギー供給減予測
 → 世界エネルギー価格高騰
 → コロナ感染拡大と併せて、世界経済にダブルパンチ
・世界的なインフレ
 ー インフレ抑制のための世界的な利上げ
 → リセッション(景気後退)懸念

上記の理由で、軒並み株安になってしまっています。もちろんグロース株であるJTOWERも、もれなく株価は下がってしまったというわけです。

しかし、ようやく2月3月になって株価は底をつき、もみ合いになり、株価も徐々に戻し始めてきました。これは、「景気後退懸念・インフレ緩和から米国がこれ以上の積極的な利上げをしないのでは」という見込みから、株式市場に資金が戻ってきたのです。

そして3月に「NTTドコモの保有する通信塔6,002基の取得」を公表し、大きく業績寄与されることから、株価は連日ストップ高に。その後は、株価はレンジに入りました。

ここで気になるのは、
「ここからまだ株価は上がるのか」
「もうここが適正価格なので、もう上がらないのか」

ですよね。

今後の中長期的にどれくらい株価が上がるかが分かれば、投資判断しやすくなります。そのために、目標株価を算出してみます。

その目標株価に対して、現在の株価が低くければ割安だから買いますし、逆に現在の株価が高いようなら割高だから買いを見送ります。これで、すごい高い目標株価が算出できたら、今は絶好の買い場かもしれません

では、目標株価を算出していきましょう。

目標株価の算出方法

その前に目標株価の算出方法を説明します。下記の通りの手順です。

  1. 将来の利益を算出
  2. 将来のEPSを算出
  3. 将来PER:10倍/15倍/20倍/40倍の目標株価を算出

では、詳しく説明します。

まず、JTOWERが公表している決算資料から、将来の目標数値を参考に、将来的な利益(ポテンシャル)を割り出します。

当ブログとしては、株価は中長期的にはEPSの影響を大きく受けると感じています。そのため、将来のEPSを計算するために、将来的な利益をここで計算しておきます。

その後、現在の株式数で割り、将来のEPSを算出します。将来的には株式数が変わる可能性もありますが、そればかりは予測できないので、現状の株式数から変更がないことを前提に算出します。

そして、PER:10倍/15倍/20倍/40倍の時のそれぞれの株価を算出します。これは株価を決定づける要因として、成長率も影響すると感じています。EPSが成長していけば、株価も必然と上がっていくものです。

ただ、投資家というものは成長率を見込んで、将来的なEPSを計算します。その期待が株価に反映されているというわけです。だから、「そこまでPER高くなるの、割高すぎないか!?」というほど、PERも割高になるのです。

このPER数値と成長率に関しての基準は下記のような当ブログの体感数値になります。

コロナショック時のような金利低下時は、下記のような体感数値です。

  • 15倍:毎年安定した利益を生み出す成長率±0%の時に妥当な値
  • 20倍:成長率+10%の時に割安な(=「ここまでは株価上がるだろう」という)値
  • 40倍:成長率+20%の時に割安な(=「ここまでは株価上がるだろう」という)値

現在のような金利上昇時は、下記のような体感数値です。

  • 10倍:毎年安定した利益を生み出す成長率±0%の時に妥当な値
  • 15倍:成長率+10%の時に割安な(=「ここまでは株価上がるだろう」という)値
  • 20倍:成長率+20%の時に割安な(=「ここまでは株価上がるだろう」という)値

この値に対して、「なぜ割安と言えるのか?」ということについては、以前「成長率に対してのPERの目安」の記事で解説しました。こちらはグロース株投資のコツとも言えます。グロース株投資をしている方は、ぜひ一度読んで見てください。

では、算出していきます。

JTOWERの目標株価

目標株価算出の基準設定

まずは、目標株価を算出するときの基準とする中期経営計画を確認します。

下図をご覧ください。こちらはJTOWERが公表した中期経営計画にありました「中長期での財務目標」です。

上図を見て分かるように、JTOWERは2026年度に向けて、下記のことを目指しています。

  • 売上高:300億円
  • EBITDA:180億円

※EBITDA(イービットディーエー)は、利払い前・税引き前利益、減価償却の総和で求められる利益のことです。簡単に表すなら「営業利益+減価償却費」です。つまり、減価償却費がなくなった時=将来的な営業利益とも言えます。そのため、大きな設備投資をしている銘柄に用いられる指標であり、かつ、グローバル企業の業績や多国間、同業他社間の業績を比較・分析する際にもよく用いられる指標です。

JTOWERは2026年度まで、引き続き売上成長率年平均+51%を続ける目標を立てました。まだこの先もこんなにハイグロースが続くと思うと、楽しみですね!

今回の記事では、この「2026年度にEBITDA:180億円」、こちらを基準として目標株価を算出していきます。

なぜ、EBITDAを用いるのか

なぜ、今回はEBITDAを用いるのかというと、本質的な本業の利益で目標株価を算出したいからです。

通常は本業の利益を測るための営業利益を用います。しかし、JTOWERは通信事業のため、大きな設備投資・費用がかかってしまいます。そのため、営業利益では減価償却費分が引かれてしまい、本質的な本業の利益が小さくなってしまいます。

中長期的な本業利益のポテンシャルを見るときには、減価償却が終わったときの本業利益を見たいのです。

したがって、営業利益に減価償却費を含んでいるEBITDAを用いることにしました。

では、次に将来の利益を算出します。

将来の利益を算出

将来的にどれくらい利益を創出できるポテンシャルがあるのか測ります。

基準としたEBITDAは本質的な営業利益とも言い換えられるので、「営業利益に対しての純利益の割合」をこれに掛けて、将来的な純利益を計算しておきます。

過去の実績から、「営業利益に対しての純利益の割合」を割り出したいのですが、補助金や有価証券売却益などで算出するのが困難です。そのため、当ブログの経験則を使います。

当ブログの経験として、純利益は営業利益に対して60〜70%の企業が多いです。参考として、マクアケは65%、ライトアップも65%、ラクスは66%、プロジェクトカンパニーは70%でした。

このことから、間をとって65%を採用します。

そうすると、2026年度の純利益ポテンシャルは

<2026年度の純利益ポテンシャル>
・売上高:300億円
・EBITDA:180億円
 →純利益:117億円(営業利益に対して純利益が65%と想定)

では、つづいて将来のEPSを算出します。

将来のEPSを算出

では、将来のEPS(1株あたりの利益)を割り出すために、上述した純利益を発行済み株式数で割ります。下図をご覧ください。こちらは直近の決算短信にありました「発行済株式数」です。

図をみると、発行済み株式数は22,011,518株であることが分かります。

これで先ほど算出した純利益を割ります。そうすると、117億円÷22,011,518株=EPS:531.54円になります。

では、この算出しました将来EPSから目標株価を算出します。

PER・成長率ごとの目標株価を算出

ここで、算出する基準となるPERを上述しましたが、おさらいしておきます。

コロナショック時のような金利低下時は、下記のような体感数値です。

  • 15倍:毎年安定した利益を生み出す成長率±0%の時に妥当な値
  • 20倍:成長率+10%の時に割安な(=「ここまでは株価上がるだろう」という)値
  • 40倍:成長率+20%の時に割安な(=「ここまでは株価上がるだろう」という)値

現在のような金利上昇時は、下記のような体感数値です。

  • 10倍:毎年安定した利益を生み出す成長率±0%の時に妥当な値
  • 15倍:成長率+10%の時に割安な(=「ここまでは株価上がるだろう」という)値
  • 20倍:成長率+20%の時に割安な(=「ここまでは株価上がるだろう」という)値

この値に対して、「なぜ割安と言えるのか?」ということについては、以前「成長率に対してのPERの目安」の記事で解説しました。こちらにはこれからする計算式についても触れてますので、ぜひご一読ください。

では、目標株価を算出していきます。PERの計算式は「PER=株価÷EPS」ですよね。ということは目標株価を算出するためには「目標株価=EPS×PER」をすればいいわけです。このPERの部分に、今回は10倍/15倍/20倍/40倍を当てはめて、目標株価を算出します。算出して結果が下記の通りです。

<PER・成長率ごとの目標株価>※小数点以下切り捨て
=金利低下時=
・PER15倍=成長率±0%:531.54円×15倍=7,973円
・PER20倍=成長率+10%:531.54円×20倍=10,630円
・PER40倍=成長率+20%:531.54円×40倍=21,261円
=金利上昇時=
・PER10倍=成長率±0%:531.54円×10倍=5,315円
・PER15倍=成長率+10%:531.54円×15倍=7,973円
・PER20倍=成長率+20%:531.54円×20倍=10,630円

現在のJTOWERの株価:7,860円です。上記のことから、2026年度にEBITDA:180億円のときに成長率±0%以上を維持できる力があるなら、

  • 金利低下時:7973-7860=113円程度の株価上昇余地
  • 金利上昇時:5315-7860=-2545円程度の株価下落余地

ただ、上述しましたように、JTOWERは2026年度まで年平均+51%の成長率を目標に掲げています。そのことから、その先に急に成長率±0%となることは考えにくいです。そうした時、+10%以上の成長率を維持できる力をあるとするなら、

  • 金利低下時:10630-7860=2770円程度の株価上昇余地
  • 金利上昇時:7973-7860=113円程度の株価上昇余地

上記のことが見込めます。よって、株価は割安に見えますね。

2026年度以降、+20%やもっと高い成長率が見込めるなら、もっと高い目標株価になることでしょう。

JTOWERの事業は、インフラに関わります。そのため、解約はほとんどなく、積み上がっていくストック型と認識しています。さらに、社会の流れも後押ししています。したがって、今後も堅調な業績が期待できるので、どこまで成長するか楽しみです。

下の留意事項もお読みください。

留意事項

ただ、ここで留意していただきたいのは、以前の「成長率に対してのPERの目安」の記事でも説明しましたが、これはあくまで長期に渡り、成長率が維持される想定でのPER基準です。そして、このPERはあくまで当ブログの体感です。

さらに、今後JTOWERの株式数が変わったりすれば、この計算も変わります。JTOWERの事業には設備が不可欠です。設備投資には多額な資金が必要になります。そのために、新株発行という手段もあるかもしれません。なので、今後、株式数の推移には注目しておきましょう。

今回の算出しました目標株価は、あくまで皆さんの今後の投資計画の参考程度としていただいた方が良いです。今後、この目標株価算出に関わる数値が変わることがあれば、都度更新していきます。

まとめ

以下、今回の記事のまとめです。

<2026年度のポテンシャル>
・売上高:300億円
・EBITDA:180億円
 →純利益:117億円(営業利益に対して純利益が65%と想定)
 →EPS:531.54円

<PER・成長率ごとの目標株価>※小数点以下切り捨て
=金利低下時=
・PER15倍=成長率±0%:531.54円×15倍=7,973円
・PER20倍=成長率+10%:531.54円×20倍=10,630円
・PER40倍=成長率+20%:531.54円×40倍=21,261円
=金利上昇時=
・PER10倍=成長率±0%:531.54円×10倍=5,315円
・PER15倍=成長率+10%:531.54円×15倍=7,973円
・PER20倍=成長率+20%:531.54円×20倍=10,630円

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当ブログでは、JTOWERだけでなく、そのほかの注目銘柄の目標銘柄も算出しています。他の銘柄の目標株価を読みたい場合は、下の記事でまとめています。少しでも、投資の参考になれば嬉しいです。

さいごに

今回は、ハイグロース株であるJTOWERの目標株価を算出し、買い時か判断するために、これから株価はいくら上がるのか、それとも今の株価は適正なのか、はたまた下がるのか確認しました。

目標株価を算出してみて、「これは割安感ありそう」と感じました。この株を3,000円台に買った人がうらやましいですね。インフラ事業のリーディングカンパニーですし、今後も堅そうなイメージです。当ブログとしては、二倍株を狙いたいので少し高く感じますが、下がるような場面があれば投資したいです。

いかがでしたか?参考になりましたか?
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株式投資に絶対はありません。ぜひ皆さん、ご自身でも一度調べてみてください!
投資はあくまでも自己責任に基づき、自身でご判断願います。

他の銘柄の目標株価を読みたい場合は、下の記事でまとめています。

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