2022.06.26更新
どうもこんにちは、平凡サラリーマン投資家のヒラです。
みなさんは、BuySell Technologies(以下:バイセル)という銘柄はご存知ですか?
買取・販売の循環を実現する総合リユースサービス「バイセル」を提供してします。特徴的なのは、事業に必要なアプリ開発や出張買取、コールセンター、物流倉庫などをインハウスで構築しています。
そんなバイセルですが、2015〜2021年度までのあいだで、年平均+33.3%という高い売上成長を遂げています。これは2021年度にタイムレス社を子会社化した影響が大きいのですが、そのおかげもあってか株価は、11月からの相場悪化により世界的な株安前の水準にまで戻ってきています。
ここで気になるのは、中長期的に株価はまだ上がるのでしょうか?それとも、現在の株価は実は適正価格で株価は上がらないのでしょうか?まだ値上がり余地が大きいなら、今のうちに買っておくのはアリかもしれません。
そこで今回は、株価が急上昇したBuySell Technologies(バイセル)の目標株価を算出し、買い時か判断するために、今の株価は適正なのか、それともまだ株価は上がるのか、はたまた下がるのか確認していきます。
この記事は、
・バイセルの目標株価を知りたい
・バイセルについての情報を共有したい
・意見交換したい
上記のような方におすすめです!
では、早速行ってみましょう!
バイセルの株価チャート
まず、最近の値動きについて確認しておきましょう。
下の株価チャートをご覧ください。こちらは直近1年間のバイセルの日足チャートです。
株価は11月に高値をつけた後、株価は急落し、2月と3月に底値をつけました。このとき、株価は高値から1/2程度にまで落ち込んでしまいました。これは主に相場悪化によるものです。その相場悪化の原因は下記の通りです。
<相場悪化の原因>
・日本での金融所得課税増税が話題に
ー 株式投資離れ、今のうちに手仕舞いする投資家の増加
・米国でのテーパリング早期化
ー 利上げ早期化
ー 米国長期金利上昇
→ 株式のリターンに対して相対的評価低下
・ウクライナの地政学的リスク
ー ロシアからヨーロッパへの原油・天然ガスの経由地であるウクライナで、戦争勃発
ー ロシアからのエネルギー供給減予測
→ 世界エネルギー価格高騰
→ コロナ感染拡大と併せて、世界経済にダブルパンチ
・世界的なインフレ
ー インフレ抑制のための世界的な利上げ
→ リセッション(景気後退)懸念
上記の理由で、軒並み株安になってしまっています。もちろんグロース株であるバイセルも、もれなく株価は下がってしまったというわけです。
しかし、2月と3月に底値をつけた後は大きく株価を戻し、ほとんど株価急落前の水準まで戻ってきました。
ここで気になるのは、
「ここからまだ株価上がるのか」
「もうここが適正価格なので、もう上がらないのか」
ですよね。
今後の中長期的にどれくらい株価が上がるかが分かれば、投資判断しやすくなります。そのために、目標株価を算出してみます。
その目標株価に対して、現在の株価が低くければ割安だから買いますし、逆に現在の株価が高いようなら割高だから買いを見送ります。これで、すごい高い目標株価が算出できたら、今は絶好の買い場かもしれません。
では、目標株価を算出していきましょう。
目標株価の算出方法
その前に目標株価の算出方法を説明します。下記の通りの手順です。
1)将来の利益を算出
2)将来のEPSを算出
3)将来PER:15倍/20倍/40倍の目標株価を算出
では、詳しく説明します。
まず、バイセルが公表している決算資料から、将来の目標数値を参考に、将来的な利益を割り出します。その後、現在の株式数で割り将来のEPSを算出します。そして、PER:15倍/20倍/40倍の時のそれぞれの株価を算出します。このPER数値の基準は下記のような当ブログの体感数値になります。
<PER数値の基準:当ブログの体感>
15倍:毎年安定した利益を生み出す成長率±0%の時に妥当な値
20倍:成長率+10%の時に割安な(=「ここまでは株価上がるだろう」という)値
40倍:成長率+20%の時に割安な(=「ここまでは株価上がるだろう」という)値
この値に対して、「なぜ割安と言えるのか?」ということについては、以前「成長率に対してのPERの目安」の記事で解説しました。こちらはグロース株投資のコツとも言えます。グロース株投資をしている方は、ぜひ一度読んで見てください。
では、算出していきます。
バイセルの目標株価
目標株価算出の基準設定
まず、どこを基準とするか決めます。下図をご覧ください。こちらはバイセルが決算説明資料で公表している「中期業績目標」です。
上図から、バイセルは2021〜2024年度までのあいだで年平均+23.3%の売上成長を持続し、「2024年度に売上高:465億円、経常利益:60億円」を目指していることがわかります。この時点での目標株価を調べます。
上記のことから、「2024年度に経常利益:60億円」を基準として目標株価を算出していきます。
将来の利益を算出
将来の利益を出していきます。
まず、業績の実績や予想から経常利益に対しての純利益の割合を確認します。そして、それを経常利益:60億円にかけることで、2024年度の純利益を算出します。
では、実績や予想から、経常利益に対しての純利益の割合を見てみましょう。
<過去の実績>
2019年度実績)経常利益:817百万円、純利益:505百万円(61.8%)
2020年度実績)経常利益:922百万円、純利益:565百万円(61.3%)
2021年度実績)経常利益:2,295百万円、純利益:1,314百万円(57.3%)
2022年度予想)経常利益:3,040百万円、純利益:1,730百万円(56.9%)
上記から、あいだをとって60%を採用することにします。
では、基準となる経常利益:60億円に60%を掛けて、純利益を出します。
<2024年度>
売上高:465億円、営業利益:60億円
→純利益:36億円(経常利益率に対して純利益が60%と想定)
では、次に将来のEPSを算出します。
将来のEPSを算出
では、将来のEPS(1株あたりの利益)を割り出すために、上述した純利益を発行済み株式数で割ります。下図をご覧ください。こちらは直近の決算短信にありました「発行済株式数」です。
見ていただいて分かるように、発行済み株式数:14,213,328株です。これで先ほど算出した純利益を割ります。そうすると、36億円÷14,213,328株=EPS:253.28円になります。
では、この算出しました将来EPSから目標株価を算出します。
PERごとの目標株価を算出
ここで、算出する基準となるPERを上述しましたが、おさらいしておきます。
<PER数値の基準:当ブログの体感>
15倍:毎年安定した利益を生み出す成長率±0%の時に妥当な値
20倍:成長率+10%の時に割安な(=「ここまでは株価上がるだろう」という)値
40倍:成長率+20%の時に割安な(=「ここまでは株価上がるだろう」という)値
この値に対して、「なぜ割安と言えるのか?」ということについては、以前「成長率に対してのPERの目安」の記事で解説しました。こちらにはこれからする計算式についても触れてますので、ぜひご一読ください。
では、目標株価を算出していきます。PERの計算式は「PER=株価÷EPS」ですよね。ということは目標株価を算出するためには「目標株価=EPS×PER」をすればいいわけです。このPERの部分に、今回は15倍/20倍/40倍を当てはめて、目標株価を算出します。算出して結果が下記の通りです。
<PERごとの目標株価>※小数点以下切り捨て
・PER15倍=成長率±0%:253.28円×15倍=3,799円
・PER20倍=成長率+10%:253.28円×20倍=5,065円
・PER40倍=成長率+20%:253.28円×40倍=10,131円
現在のバイセルの株価:4,145円です。上記のことから、「2024年度経常利益:60億円のとき」に成長率±10%以上を維持できる力があるなら、5065-4145=920円程度の株価上昇余地はありそうです。
さらに、バイセルではインオーガニックグロースとして、M&Aを積極的に取り組む構えです。それにより2024年度には経常利益:60億円+αの目標を掲げています。これも加味して、株価も周りの銘柄に比べて高くなっていると感じています。
では、下の留意事項もお読みください。
留意事項
ただ、ここで留意していただきたいのは、以前の「成長率に対してのPERの目安」の記事でも説明しましたが、これはあくまで長期に渡り、成長率が維持される想定でのPER基準です。そして、このPERはあくまで当ブログの体感です。
さらに、今後バイセルの株式数が変わったりすれば、この計算も変わります。今後、M&Aすることが明記されていたので、その資金確保のための新株発行には要注意です。株式数の推移には注目しておきましょう。
そして、現在相場は悪化していますし、米国では利上げペースが早まりました。そのため、グロース株に対しての期待リターンも高まっています。そのため、今回算出のために用いたPERは適正でなくなってきているかもしれません。
今後の株式市場の値動きなどを観察して、値動き・相場が落ち着いてきたときに、また改めて妥当・割安なPERを見定めて、目標株価を算出し直そうと考えています。
今回の算出しました目標株価は、あくまで皆さんの今後の投資計画の参考程度としていただいた方が良いです。今後、この目標株価算出に関わる数値が変わることがあれば、都度更新していきます。
まとめ
以下、今回の記事のまとめです。
<2024年度>
売上高:465億円、経常利益:60億円
→純利益:36億円(営業利益率に対して純利益が60%と想定)
→EPS:253.28円
<PERごとの目標株価>※小数点以下切り捨て
・PER15倍=成長率±0%:253.28円×15倍=3,799円
・PER20倍=成長率+10%:253.28円×20倍=5,065円
・PER40倍=成長率+20%:253.28円×40倍=10,131円
みなさんは、どうお考えですか?
さいごに
今回は、株価が急上昇したBuySell Technologies(バイセル)の目標株価を算出し、買い時か判断するために、今の株価は適正なのか、それともまだ株価は上がるのか、はたまた下がるのか確認しました。
目標株価を算出してみて、「上昇余地はありそう」と感じました。ただ、投資するために、もっと深掘りし、この銘柄に独自性・優位性があるかどうか見極めてから投資したいです。
いかがでしたか?参考になりましたか?
それとも、「ここはどうかな」と違う意見ですか?
今回の当ブログの考えと違う方がいらっしゃったり、参考になった方がいらっしゃれば、ご意見・コメントいただけると嬉しいです!
株式投資に絶対はありません。ぜひ皆さん、ご自身でも一度調べてみてください!
投資はあくまでも自己責任に基づき、自身でご判断願います。
他の銘柄の目標株価を読みたい場合は、下の記事でまとめています。
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